・保育士の仕事は長時間労働である
・体力的・精神的に大変であるが給料水準は全職業の中でも低い
・園の方針と自分の保育に対する信念が異なるとやりがいを感じられない場合がある
保育士は子どもの命と成長を支える重要な専門職ですが、その一方で大変なことも多い職業です。
厚生労働省の調査によれば、保育士の離職理由の上位には長時間労働やひとりあたりの園児の対応の多さ、給与の低さが挙げられています。
現場では事務作業や持ち帰り仕事が常態化し、十分な休憩が取れないことも少なくありません。
本記事では、保育士の大変なことを12項目に分けて整理し、実際のエピソードも紹介します。
そのうえで、子どもの成長や笑顔を間近で感じられるといったやりがいも紹介しています。
園ごとの特徴を知るのに役立つ転職サイトにも触れているため、現役保育士さんはもちろん保育士を目指している人もぜひ参考にしてください。
保育士の大変なこと12選
保育士の仕事はやりがいが大きい一方で、体力的・精神的に大変な職業でもあります。
大変な職業であるため、保育士の離職率は高い水準です。
厚生労働省の調査によると、保育士全体の離職率は9.3%であり、中でも私営保育所は10.7%と10人に1人が退職しています。
参照元:保育士の現状と主な取組
退職の背景には、給与水準の低さや長時間労働、人手不足による過重な業務負担があり、心身ともに負担が大きいことが原因です。
また、保育士資格を持っていながら保育現場で働いていない「潜在保育士」がH29年時点で90万人に程度おり、保育士登録者数約147万人に対して半数以上が保育士に従事していません。

現場では、子どもの命を預かる責任の重さや保護者対応、膨大な事務作業が日常的に発生し、十分な休憩を取れないなど待遇や労働環境の厳しさから復職をためらう人が多いのが現状です。
こうした課題は、保育士の定着率低下につながり、人材不足をさらに深刻化させる悪循環を生んでいます。
以下では、具体的に保育士のどのような業務が大変であるか紹介します。
・保護者からのクレーム対応が大変
・事務仕事が多い
・持ち帰り仕事が多い
・長時間労働になることもある
・体力的な負担が大きい
・なかなか休憩を取る時間がない
・子どもの顔と名前を覚える必要がある
・子どもと親が一致しない
・女性が多く人間関係が大変
・給料が低い
・子どもの命を預かる責任がある
・園の保育方針に納得できないこともある
関連記事:保育士が仕事を辛いと感じる理由!大変なことや辞めたいときの対処法を解説
保護者からのクレーム対応が大変
保育士は子どもの保育だけでなく、保護者の支援も重要な役割とされています。
専門的知識及び技術をもって、子どもの保育を行うとともに、保護者に対し子育てに関する支援や助言・指導を行う。
保育士は、子育ての悩みに寄り添い、家庭と協力して子どもの発達を支える姿勢が求められています。
しかし現場では、子どもの怪我や体調不良による呼び出しへの不満、園の方針への不満など、保護者からのクレームが日常的に発生します。
特に中堅層の保育士は、新人や施設長よりも保護者対応の負担が大きいのが特徴です。
日々謝罪対応に追われることは精神的な負担が大きく、バーンアウト(燃え尽き症候群)の原因となり、保育士の離職につながります。
事務仕事が多い
保育士の業務には、子どもの直接的な保育だけでなく、大量の事務作業が含まれています。
主な事務仕事は以下の通りです。
- 保育日誌や連絡帳の記入
- 行事に関するお便り作成
- 個別の発達記録や保育計画書の作成
これらの作業は園の運営や保護者との情報共有に不可欠です。
しかし、子どもが在園している時間帯は子どもの業務に追われるため、集中して事務を行う時間を確保できません。
結果、退勤後に処理せざるを得ないことが現状です。
事務作業が「時間外労働の大きな要因」とも指摘されており、ICT導入による効率化が進められていますが、浸透していない園もあります。
持ち帰り仕事が多い
保育士の労働環境における特徴の一つが「持ち帰り仕事」です。
持ち帰り仕事とは保育士が勤務時間内に終わらせられなかった業務を自宅に持ち帰って行うこと
特に指導計画や行事準備の書類作成は、日中の保育時間には取り組めず、帰宅後に対応するケースが目立ちます。
持ち帰りが多い場合、プライベートな時間が十分に確保できず、結果的に疲弊する原因ともなります。
また、持ち帰り仕事は内容や状況によっては労働基準法に抵触する可能性があります。
違法となるケース | 違法とならないケース | |
---|---|---|
指示の有無 | 園長や主任から書類作成や制作物を「期限までに提出」と指示されている | 自主的に教材研究や保育に役立つ読書などを自分の学びとして行う |
仕事量 | 園が勤務時間内で終わらない量の業務を課している(黙示の指示とみなされる) | 勤務時間内に終わる業務量だが、本人の都合で自宅で行っている |
業務の性質 | 保育日誌・指導計画・行事準備など園の運営に必要な業務 | 趣味的な工作や自主的な研修のまとめなど、園から求められていない作業 |
賃金の扱い | 労働時間として扱われず、残業代が支払われない(サービス残業) | 事前申請して残業代が支払われる/あくまで自己学習の範囲 |
園の関与 | 「持ち帰りを前提」とする園文化や慣習がある | 園は「勤務中に終わる範囲で」と指導しているが本人が任意で行う |
まとめると、園が業務として求めているものを自宅で行う場合は労働時間にあたり、未払いなら違法です。
一方で、保育士自身がスキルアップや趣味的に行う学習であれば、違法には該当しません。
保育士の離職理由にも「持ち帰り業務の多さ」が挙げられており、サービス残業と同様に大きな不満となっています。
長時間労働になることもある
保育士の長時間労働は、全国的に深刻な課題とされています。
厚労省の調査では「残業なし」と回答する保育士も一定数いますが、実際にはサービス残業が計上されていないことが多く、数字以上の残業が発生しているのが現状です。
アンケートでは「5時間程度の残業」が最も多い一方、月70時間以上の時間外労働を行う保育士も存在します。
1日で換算すると、約3時間程度の残業が発生しており、大きな負担となっています。

背景には人手不足と配置基準の厳しさがあり、必要最小限の人数で運営されているため、一人当たりの負担が増加しています。
長時間労働は心身の疲弊を招き、職場の人間関係の悪化や離職の要因にもなります。
体力的な負担が大きい
保育士は日常的に子どもを抱きかかえる、遊びの補助をする、給食や排せつを支援するといった肉体的に負担の大きいのが特徴です。
体力が求められる場面
- 乳幼児の抱っこやおんぶ
- 園庭での外遊びや散歩
- 運動会や遠足などの行事
乳児保育では、抱っこやおんぶなどで、一日に何度も中腰や持ち上げ動作を繰り返す必要があります。
特に0歳児や1歳児クラスでは体重10kg前後の子どもを何度も抱き上げるため、腰や腕に負担がかかります。
さらに、昼寝の時間も休憩に充てられることは少なく、引き続き書類作業や掃除を行うことが多いため、休養が不足し疲労は蓄積されるでしょう。
このように、保育士は抱っこ・介助・走り回る業務が日常的にあること、行事で長時間働くこと、子どもの安全を守る責任があることから、体力が不可欠な職業だといえます。
なかなか休憩を取る時間がない
保育士の労働環境において、休憩が十分に取れないことは深刻な課題とされています。
労働基準法に基づき、労働時間が8時間を超える場合は1時間の休憩を取ることが義務付けられています。
労働基準法第34条で、労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない、と定めています。
しかし、保育士は昼食中も子どもの食事を補助したり、昼寝時間に書類作成や清掃を行ったりするため、まとまった休憩がとれないのが現状です。
休憩不足は心身の疲労を蓄積させ、集中力の低下や事故防止の観点でもリスクを高めると指摘されています。
厚生労働省はICT導入や業務効率化を進めることで労働環境改善を推進していますが、実際には人員配置の余裕がない園が多く、休憩時間の確保が難しい現状が残っています。
子どもの顔と名前を覚える必要がある
保育士は、子どもの顔と名前を正確に覚えることが必須の業務です。
厚労省の指針でも、一人ひとりの子どもを把握し、個別性を尊重した保育を行うことが求められています。
(3) 保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。
引用:保育所保育指針
そのため、入園時には健康状態やアレルギー、家庭での生活習慣など詳細な情報を把握し、記録に基づいて個々の対応を行います。
特に大規模園では数十名の子どもを同時に担当することもあり、短期間で全員の特徴を把握する負担は大きいです。
しかし、顔と名前を間違えることは信頼関係に直結するため、業務の中で優先的に覚えなければなりません。
情報管理は保育をする上で欠かせませんが、心理的な負荷や業務量増大につながる点が課題となっています。
子どもと親が一致しない
保育士は子どもだけでなく、その保護者の顔と名前も正確に把握する必要があります。
保育所では送迎時に子どもを保護者へ確実に引き渡す義務があり、万一誤認すれば重大な事故につながります。
事実、保育士が子どもと親を完全に把握しておらず、事故につながる可能性があった事例が報告されています。
民間の認定こども園の送迎バスが5日午後、園児12人を各家庭に送り届けた。残り2人になったところで、添乗の職員が園児1人を誤って別の保護者に引き渡した。引き取ったのは園児の祖母で、制服に帽子をかぶり、マスクをしていたため別人だと思わなかったという。園児2人は7、9月の入園で、職員が顔をよく覚えておらず、バスの運行表や座席図も十分確認していなかったとした。
そのため、保育士は日常的に子どもと親を一致させ、名簿や登降園記録を細かくチェックしながら業務を進めています。
特に初年度は覚える人数が多く、短期間で対応するのは大きな心理的負担となるのが現状です。
安全管理の観点から、登降園管理システムの導入を推奨されており、ICTの活用でリスク軽減が進められていますが、導入が進んでいない園では保育士自身の記憶と確認作業が必須となっています。
女性が多く人間関係が大変
保育士は女性が多い職場環境であるため、人間関係の難しさがしばしば離職理由として挙げられます。
調査でも職員の95.8%が女性で、全体の施設の54.8%が女性職員のみの施設となっています。

女性が多い職場にある、嫉妬心や派閥争い、主観的な判断が人間関係が難しいとされる要因です。
特に新人保育士は、園の文化や暗黙のルールへの適応に苦労し、孤立感を抱きやすい傾向があります。
改善策として、メンター制度や定期的な面談の導入が推奨されており、良好な人間関係を築くことが定着率向上に直結します。
保育の質を維持するためにも、人間関係に配慮した職場づくりは不可欠です。
関連記事:男性保育士が少ない理由【なぜ?】男性保育士の割合やメリット・将来性も解説
給料が低い
保育士の平均給与は年々上昇しているものの、全職種平均と比べて依然として低水準にあることが課題です。
厚労省の統計によると2025年時点で保育士の平均年収は約406万円で、全職種平均の467万円を下回っています。
給与面の不満は離職理由の上位であり、人材不足を加速させる要因となっています。
処遇改善等加算やキャリアアップ研修による給与引き上げ制度が導入されていますが、安定的な昇給につながりにくい点も課題です。
特に私立保育園より公立保育園の方が給与水準が高い傾向があり、待遇差も問題視されています。
関連記事:保育士の平均年収は約327万円!勤続年数・年齢・都道府県による給料の違いや年収アップの方法を解説
子どもの命を預かる責任がある
保育士は子どもの命を預かる専門職であり、責任の重さは非常に大きい職業です。
こども家庭庁によると、2024年に報告された保育施設などでの重大事故件数は3,190件で、2015年の報告義務化以降最多となりました。
教育・保育施設での重大事故は増加傾向にあり、特に誤嚥や転倒事故が課題となっています。
厚労省の調査では、事故防止のために保健衛生や安全管理に関する研修が強化されており、キャリアアップ研修の一環として「安全衛生分野」が必須化されています。
現場では子どもの行動を常に見守り、リスクを予測して防止する体制が必要ですが、人手不足により十分な対応が難しいのが現状です。
園の保育方針に納得できないこともある
園の理念や方針に共感できない場合、保育士の仕事満足度は大きく下がり、離職意向につながります。
特にベテラン層では「保育方針とのズレ」が要因として離職につながることが示されています。

園によっては教育的要素を重視するか、生活面の養護を重視するかなど方針に差があり、保育士が自身の専門観とぼ違いを感じることがあります。
保育の質向上には、職員全員が保育所保育指針に基づいて保育することが不可欠であり、そのためには園内での対話や理念の共有が重要です。
職員が納得して保育ができる環境を整えることが定着率の向上に直結します。
保育士の大変なことエピソード集
保育士の大変さを示すエピソードは多数あります。
子ども同士のけんかの仲裁や業務時間外に働かざるを得ない状況の常態化、休みの日でも地域で子どもや保護者に出会うことを気にして行動を制限するなど仕事上のトラブルだけでなく、プライベートにも支障をきたす場合があります。
精神的負担、肉体的負担は心身の消耗につながる
こうした実態は離職率の高さにも影響し、資格を持ちながら保育士として働かない人が多い背景ともなっています。
以下では、保育士の大変さがわかるエピソードを3つ紹介します。
・子ども同士のトラブルの対応が大変である
・自分の保育スタイルが正しいのか分からない
・休みの日も子どもや保護者に合わないかヒヤヒヤする
子ども同士のトラブルの対応が大変である
子ども同士のトラブル対応は、保育士にとって日常的でありながら大きな負担となる業務に挙げられます。
子どもの成育による特性や課題を以下にまとめています。
乳児期・幼児前期(0~2歳頃) | 幼児後期(3~6歳頃) | |
---|---|---|
発達上の特性 | ・乳幼児は、まず、自分を守り、自分に対し応答的にかかわる特定の大人(多くの場合、母親)との間に、情緒的な絆(愛着)を形成する。そこで育まれる安心感や信頼感を基にして、身近な人や環境に対する興味や関心が芽生え、人間関係を広げると同時に外部への探索行動を行う。 ・表象機能の発達により、自分が行おうとすることをあらかじめイメージできるようになり、自分なりの「つもり」を持ちながら行動するようになる。自分の思いどおりにしようとして、親等に止められるなど、「してよいこと」・「してはならないこと」をめぐって親等との間に綱引きが始まる。 ・大人の言うことがわかるようになり、自分の意志を大人に伝えたいという欲求が高まる。さらに、発生が明瞭になり、語彙も増加していき、自分の意志や欲求を言葉で表出できるようになる。 ・身体的技能の発達とともに、食事、衣服の着脱など身の回りのことを自分でしようとするようになる。 |
・食事、排泄、衣服の着脱など、自立できるようになるとともに、食事、睡眠等の生活リズムが定着する。 ・生活の繰り返しの中で、身体感覚を伴う直接的な体験や、具体的な事物に関連させながら、世界に対する認知を広げていく。 ・幼児期の特徴として、他人が自分とは異なる見方・感じ方・考え方をすることを理解できない「自己中心性」があるが、一方で、他者の存在・視点にも次第に気付き始める。遊びを中心とした友達とのかかわりあいを通じて、道徳性や社会性の原型といえるものを獲得していく。 |
課題 | ・親等への愛着の形成、人に対する基本的信頼感の醸成 ・欲求に基づく適度の自己主張と自己抑制の学習 ・身辺自立への訓練・学習 |
・遊びの発達、子どもどうしの相互交渉の深まり ・基本的な生活習慣の定着・確立 ・善悪の区別についての学習と良心の芽生え |
引用元:各発達段階における子どもの成育をめぐる課題等について|文部科学省
幼児期は自己主張が強くなる反面、感情をうまく言葉で表現できないため、物の取り合いや順番争い、遊び方の違いなどで衝突が起こりやすい時期です。
例えば「ブロックを貸してほしい」と言えずにたたいてしまったり「一緒に遊びたい」と思っても押してしまうといった行動が見られます。
保育士はまず子どもの安全を確保し、冷静に双方の気持ちを聞き取る必要がありますが、その場を収めるだけでなく、発達段階に応じた言葉かけや行動の調整を行うことが求められます。
さらに、トラブルの原因や経緯を保護者に正確に伝え、誤解や不信感を招かないように配慮することも重要です。
こうした一連の対応は時間も労力もかかりますが、同時に子どもに「気持ちの伝え方」や「相手を思いやる心」を育てる大切な機会でもあり、保育士の専門性が発揮される場面といえます。
自分の保育スタイルが正しいのか分からない
保育士の仕事は正解が一つに定まらないため「自分の保育スタイルが本当に正しいのか」と迷うことが少なくありません。
例えば、泣き続ける子どもにすぐ抱き上げるべきか、少し見守って自分で気持ちを切り替える力を育てるべきかは、園の方針や子どもの個性によって判断が分かれます。
また、行事準備に時間をかけるより日常の遊びを充実させたいと考えても、同僚や園の考え方と合わず、自分だけが浮いているように感じるケースもあります。
新人の頃は先輩のやり方を真似しながらも「これでいいのか」と不安を抱えやすく、経験を重ねた後も保護者や上司からの意見が食い違うと迷いが生じる
さらに、保育士同士の価値観の違いが「やり方の正しさ」への不安を増幅させることもあります。
こうした迷いはストレスや自信喪失につながりやすいですが、裏を返せば子どもの最善を常に考えているからこそ生まれる悩みでもあります。
そのため、園内研修や同僚との意見交換を通じて学びを深め、自身の保育観を整理していくことが大切です。
休みの日も子どもや保護者に合わないかヒヤヒヤする

保育士の仕事では勤務時間外でも気が抜けないと感じる場面があります。
その一つが「休日に園児や保護者にばったり会ってしまうかもしれない」という不安です。
例えば、買い物中にカジュアルすぎる服装やノーメイクで保護者に出くわした場合「先生の印象が悪くならないか」と心配になる人も少なくありません。
また、居酒屋やパチンコ店など子どもや保護者に見られたくない場所で偶然出くわすのではと考え、行動範囲を制限してしまうケースもあります。
特に小さな町や地域密着型の園では、保護者と生活圏が重なるため外出先での遭遇する可能性は高く「休日でも常に見られているようで気が休まらない」と感じるときもあるでしょう。
声をかけられると対応せざるえないので、笑顔で応対しつつも「完全にオフで過ごしたいのに」と憂鬱になる保育士もいます。
このように、仕事とプライベートの境界があいまいになりやすいのも保育士ならではの悩みであり、リフレッシュしづらい要因の一つになっています。
保育士のやりがい
保育士は給与や労働環境の厳しさが課題として挙げられる一方で、多くの人が仕事にやりがいを感じています。
その理由として、日々の保育を通じて子どもの成長を実感できる点が挙げられます。
歩けるようになった、言葉を話せるようになったといった発達の瞬間を間近で支えられることは大きな喜びです。
また、子どもの笑顔を日常的に見られることも仕事の励みになり、信頼関係が深まるにつれて子どもが懐いてくれることは安心感や達成感につながります。
このように、子どもの成長や笑顔を守るために保育士は責任の重さとともに強いやりがいを感じて働いています。
・子どもの成長を実感できる
・子どもの笑顔を日常的に見られる
・子どもが懐いてくれる
・保護者から感謝される
・イベントが無事に終わると達成感がある
関連記事:保育補助とは?仕事内容や雇用形態・平均時給などを詳しく解説
子どもの成長を実感できる
保育士の大きなやりがいの一つは、子どもの成長を日々の業務の中で直接確認できる点にあります。
乳幼児期は心身の発達が著しく、歩けるようになる、言葉が増える、友達と遊べるようになるといった変化が短期間で現れます。
厚生労働省が定める「保育所保育指針」でも、こうした成長の過程を観察・記録することが保育士の役割とされています。
(4) 保育の環境
保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。
ア 子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
イ 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。
ウ 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること。
エ 子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。
引用元:保育所保育指針
また、園では「ポートフォリオ」と呼ばれる記録や発達チェックを通じて、子どもの発達を見える化する取り組みが広がっています。
これは単に成長を確認するだけでなく、専門的に分析することで保育計画を改善し、質の高い保育を提供する際の参考となります。
子どもの小さな変化を専門職として捉え、支援につなげられることが、保育士としての専門性とやりがいの両方を実感できる理由といえます。
子どもの笑顔を日常的に見られる
保育士を志望した理由として「子どもが好きだから」と答える人は厚生労働省の調査でも最も多く、就業動機の約6割を占めます。
保育士の仕事は、食事や排せつの援助、遊びや学びのサポート、保護者との連携などさまざまな業務を時間内に完了させる必要があり、決して楽な仕事ではありません。
一方、日々の業務をこなす中で子どもが笑顔を見せる瞬間は、保育士にとって大きな励みになります。
子どもの笑顔は、保育士の専門的な支援の成果を目に見える形で示すものであり、仕事への意欲を持続させる力にもなります。
子どもが懐いてくれる
乳幼児期の子どもは、安定した大人との関わりの中で愛着が芽生えるとされています。
参照元:保育の内容
保育士は日々の生活を共にし、食事や遊びを支える中で信頼関係を築いていきます。
子どもが安心して懐き、笑顔で駆け寄ってくる行動は、保育士にとって信頼関係が形成されていることの証拠であり、専門職としての誇りです。
さらに園では「チーム保育」として複数の保育士が子どもに関わるため、仲間意識や共同責任感も仕事のモチベーションを高める要因となります。
保護者から感謝される
保育士は子どもの成長支援に加えて、保護者をサポートする役割も担っています。
日常的な連絡帳や個人面談、成長記録の共有を通じて、保護者は子どもの成長を客観的に把握できるため、安心感が得られます。
子育てに関する不安や悩みを相談する場を設けることで、保育士は保護者のパートナーとして信頼関係の構築が可能
このような取り組みの積み重ねにより、保護者から直接感謝の言葉を受ける機会は多く、保育士にとってやりがいの一因となります。
感謝の言葉は単なる評価ではなく、保育の質が社会に認められていることを示す証でもあります。
イベントが無事に終わると達成感がある
保育園や認定こども園では、運動会や発表会、季節の行事など多くのイベントが行われます。
イベント準備で必要な作業
- 制作物の作成
- 衣装作り
- 練習の指導
イベント準備は保育士の残業時間が増える原因の一つとされています。
しかし、行事を通じて子どもの成長や努力の成果を保護者に示すことは、教育・保育の大切な役割であり、行事が成功した際には大きな達成感を得られます。
心理学的にも、困難を乗り越えて成功体験を積むことは自己効力感を高め、モチベーション維持に効果があるとされています。
さらに園全体で協力して準備を進めるため、チームワークの向上や職員間の一体感も生まれます。
行事の達成感は、保育士の仕事のやりがいを強く実感できる要素の一つです。
園ごとの大変なこと・やりがいを教えてもらえる転職サイト
保育士として転職を考えるとき、給与や勤務時間だけでなく「その園ならではの大変なこと」や「やりがい」を事前に知っておきたいと感じる人は多いでしょう。
以下で紹介する転職サイトでは、求人情報に加えて現場で働く保育士の声や口コミを掲載しており、園ごとの分かります。
情報を参考にし、自分に合った職場をぜひ見つけてください。
転職サイト名 | 保育士バンク! | 保育士人材バンク | しんぷる保育 |
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運営会社 | 株式会社ネクストビート | 株式会社エス・エム・エス | Simple株式会社 |
公開求人数 | 約39,220件 | 約38,233件 | 約2,594件 |
対応地域 | 全国 | 全国 | 東京・神奈川・千葉・埼玉 |
職種 | 保育士、幼稚園教諭、看護師など | 保育士、幼稚園教諭 | 保育士 |
※本記事掲載の口コミ:当サイトの独自調査による(調査日:2025年7月)
※2025年9月時点の情報を掲載しています。
保育士のおすすめの転職先は、以下の記事でも紹介しています。
関連記事:保育士転職サイトおすすめ比較ランキング19選!口コミ・選び方や電話なしで利用できるサイトも紹介
保育士バンク

運営会社 | 株式会社ネクストビート |
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許可番号 | 13-ユ-306160 |
公開求人数 | 約39,220件(2025年10月時点) |
対応地域 | 北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄 |
対応職種 | 保育士、幼稚園教諭、保育補助、園長、主任、看護師、栄養士、調理師、児童指導員、事務職など |
対応雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト |
対応施設形態 | 認可保育園、認定こども園、小規模保育園、幼稚園、院内保育、企業主導型、学童保育、放課後等デイサービスなど |
料金 | 完全無料 |
住所 | 東京都渋谷区恵比寿四丁目9番10号 |
公式サイト | https://www.hoikushibank.com/ |
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保育士バンク利用者の口コミ・体験談
保育士人材バンク

運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
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許可番号 | 13-ユ-190019 |
公開求人数 | 約38,233件(2025年10月時点) |
対応地域 | 北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄 |
対応職種 | 保育士、幼稚園教諭 |
対応雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト |
対応施設形態 | 認可保育園、認可外保育園、認定こども園、幼稚園、児童発達支援施設、放課後等デイサービス、障がい者支援施設、病院内・医療施設内、企業内保育、その他保育関連施設 |
料金 | 完全無料 |
住所 | 東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー |
公式サイト | https://hoiku.jinzaibank.com/ |
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保育士人材バンク利用者の口コミ・体験談
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しんぷる保育

運営会社 | Simple株式会社 |
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対応地域 | 東京・神奈川・千葉・埼玉 |
対応職種 | 保育士 |
対応雇用形態 | 正社員・派遣社員・契約社員・パート・アルバイト |
対応施設形態 | 認可保育園・認証・認定保育園・認可外保育園・幼稚園・認定こども園・企業内保育園・院内保育・病児保育・学童保育・児童発達支援・放課後デイサービス |
料金 | 完全無料 |
住所 | 東京都品川区東五反田5丁目23-7 五反田不二越ビル4・5階(受付5階) |
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担当アドバイザーが希望条件のヒアリングから求人提案、履歴書添削、面接対策、条件交渉、入職後フォローまで支援してくれます。
また、対応するアドバイザーの中には保育士経験者がある人もおり、現場を熟知した支援が魅力です。
園を直接訪問して得た詳細情報(園の方針、人間関係、離職率など)も提供するため、入職後のミスマッチを防ぎやすいのも強みといえます。
しんぷる保育利用者の口コミ・体験談
明るく和やかな雰囲気で安心感を与えてくださる一方で、指揮官のような頼もしさが垣間見えました!
仕事をしながらの転職活動が心地よく遂行できたのは担当者さんのおかげです!
ほんとうに感謝しかないです!
保育士は大変なことも多いがやりがいのある仕事
保育士の仕事は、長時間労働や事務作業の多さ、持ち帰り仕事、人間関係の難しさなど、大変な面が多い職業です。
さらに、大変な仕事であるにもかかわらず平均給与が全職種より低めであることも課題として挙げられています。
一方で、子どもの日々の成長を間近で感じられること、子どもが懐いてくれる瞬間や笑顔を見られること、保護者からの感謝の言葉を受け取れることなど、さまざまなやりがいもあります。
このように保育士は大変さとやりがいの両方がある職業であり、自分に合う園を見つけることが長く続けるためには重要です。
今の職場が合わない、給料水準を上げたいと感じた際は、現場の声や口コミが充実した「しんぷる保育」を活用することで、入職後のミスマッチを防ぎ安心して働ける環境が見つけられます。
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