保育士試験の内容は、筆記9科目と実技試験で構成されており、実技は音楽・造形・言語の3分野から2分野を選んで受験します。

試験の全体像を知らないまま勉強を始めると、筆記と実技の違いや対策の優先順位が分からず、何から手を付けるべきか迷いやすくなります。

こども家庭庁によると、保育士資格を得る方法の一つとして保育士試験の合格が説明されていました。

保育士資格の取得方法※出典:こども家庭庁「保育士になるには

保育士試験の合格率は、概ね20%前後で推移しており、試験内容を先に理解したうえで計画的に勉強を進めることが重要です。

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この記事では、筆記9科目と実技試験の内容に加え、実技の選び方、つまずきやすい科目、合格基準、勉強順まで整理して解説します。

Contents
  1. 保育士試験の全体内容
  2. 保育士試験の筆記試験の内容
  3. 保育士試験の実技試験の内容
  4. 保育士試験の実技を選ぶ基準
  5. 保育士試験でつまずきやすいポイント
  6. 保育士試験の合格基準と科目合格制度
  7. 保育士試験の問題数と試験日程の見方
  8. 保育士試験の内容を踏まえた勉強順と対策の進め方
  9. 保育士試験は独学でも合格できるのか
  10. 保育士試験の内容に関するよくある質問
  11. 保育士試験の内容は全体像を理解してから対策を始めることが大切

保育士試験の全体内容

保育士試験の実技試験の内容

保育士試験の内容は、筆記試験と実技試験の2段階で進み、まずは全体の流れをつかむことが出発点です。

試験概要を先に理解しておくと、筆記9科目と実技2分野の関係が見えやすくなり、次に確認すべき内容を整理しやすくなります。

保育士試験は、筆記試験に合格したあとに実技試験へ進む仕組みです。

まずは受験の流れをステップで確認してください。

1

筆記試験を受ける

9科目の合格基準を満たす

2

実技試験を受ける

3分野から選んだ2分野を受験する

3

合格する

筆記と実技の基準を満たして資格取得へ進む

筆記は広く学ぶ試験、実技は選んだ分野で力を見る試験と整理すると、役割の違いをつかみやすくなります。

全体像を知りたい人は受験の順番を確認し、学習計画まで見通したい人は科目数と選択方式もあわせて押さえると、次の見出しも読み進めやすくなります。

筆記試験と実技試験の2段階で行われる

保育士試験は、筆記試験に合格したあとに実技試験へ進む2段階の試験です。

先に筆記で知識を確認し、その後に実技で表現力や実践力を見る流れになっているため、受験の順番を理解しておくと全体像をつかみやすくなります。

筆記試験は例年前期と後期の年2回実施されており、実技試験は筆記試験の合格者や免除対象者が受ける仕組みです。

1

筆記試験を受ける

まずは9科目の知識を問う試験に取り組む

2

実技試験へ進む

筆記試験の合格後に選択した2分野を受験する

3

合格となる

筆記と実技の両方で基準を満たす

受験計画まで考えたい人は、実技が筆記合格後に続く段階だと理解しておくと準備しやすくなります。

注意点として、筆記と実技を同日にまとめて受ける試験ではありません。

筆記試験は9科目すべての理解が必要である

筆記試験は9科目で構成されており、一部の科目だけを対策しても合格しにくい試験です。

科目数が多いため、最初に全体像をつかんでから学習計画を立てると、途中で何を優先すべきか迷いにくくなります。

まずは、どの科目があるのかを一覧で押さえておくと整理できます。

科目名
科目タイプ
概要
保育の心理学
発達理解系
子どもの発達や心の理解を学ぶ
保育原理
制度理解系
保育の考え方や基本方針を押さえる
子ども家庭福祉
制度理解系
家庭支援や子どもを支える制度を学ぶ
社会福祉
制度理解系
福祉全体の仕組みや支援の基礎を学ぶ
教育原理
制度理解系
教育の考え方や制度の基礎を理解する
社会的養護
制度理解系
施設養護や里親制度の理解を深める
子どもの保健
発達理解系
健康管理や疾病予防の基礎を学ぶ
子どもの食と栄養
発達理解系
発達段階に応じた食と栄養を学ぶ
保育実習理論
実践応用系
現場で必要な実践知識を横断的に問う

まずは各科目を深く覚えるより、広く見渡して関連性をつかむことが先です。

学習を始めたばかりの人は、制度系から入るか、発達や保健のようにイメージしやすい科目から入るかで進め方が変わります。

実技試験は3分野から2分野を選んで受験する

実技試験は、音楽・造形・言語の3分野すべてを受けるのではなく、その中から2分野を選んで受験します。

筆記試験の全科目に合格した人が実技試験へ進み、選んだ2分野の両方で基準を満たす必要があります。

まずは、3分野で何を行うのかを簡単に整理しておくと全体像をつかみやすいです。

分野
概要
音楽
弾き歌いを通して子どもに伝わる表現を見る
造形
保育場面を条件に沿って絵で表現する
言語
子どもに向けた素話で伝え方や表現を見る

最初は、どの分野が合うかを決める前に、3分野の性質の違いを知ることが先です。

楽器経験や話す力に自信がある人もいれば、絵で表現する方が取り組みやすい人もいるため、選び方は得意分野と準備しやすさの両方で考える必要があります。

保育士試験の筆記試験の内容

保育士試験の筆記試験では、9科目を通して保育の基礎知識から制度、現場での実践理解まで幅広く問われます。

科目ごとにテーマが異なるため、最初に全体を把握すると、それぞれの位置づけが分かりやすくなります。

筆記試験は、暗記だけでなく子どもの発達や制度、保育現場の考え方など横断的な理解が求められる試験です。

まずは、9科目を学習の切り口ごとに見ていきましょう。

科目名
学習のポイント
保育の心理学
発達段階や心の動きを理解する
保育原理
保育の考え方や基本方針を押さえる
子ども家庭福祉
家庭支援と子どもを支える制度を学ぶ
社会福祉
福祉制度と相談援助の基礎を整理する
教育原理
教育の考え方と制度の基礎を理解する
社会的養護
施設養護や里親制度の役割を押さえる
子どもの保健
健康管理や疾病予防の基本を学ぶ
子どもの食と栄養
発達段階に応じた食と栄養を理解する
保育実習理論
現場で必要な実践知識を横断的に整理する

一覧で見ると、制度を学ぶ科目もあれば、発達や健康、現場の実践内容を理解する科目もあり、筆記試験の幅広さが分かります。

まずは全体像をつかむことを優先して解説します。

保育の心理学は子どもの発達理解が中心である

保育の心理学は、子どもの発達段階に応じた心と行動の変化を理解するための科目です。

年齢ごとの発達の違いをつかむことが、子どもへの関わり方を考える土台になります。

この科目では、身体の成長だけでなく、認知、言語、情緒、社会性がどのように育っていくかも問われます。

発達段階ごとの特徴を大まかに整理すると、学ぶ内容をイメージしやすくなります。

発達段階
主な特徴
保育で見る視点
乳児期(0〜2歳)
・身体機能の発達
・愛着形成
安心できる関わりや生活リズムを整える
幼児期(3〜5歳)
・言語、想像力の発達
・社会性の発達
遊びや友だちとの関わりを支える
学童期(6〜12歳)
・論理的・抽象的思考の発達
・自己肯定感の形成
考える力や集団の中での成長を見守る

この科目は理論を覚えるだけでなく、その発達が保育の場面でどう表れるかまで考えることがポイントです。

人物名や理論だけを暗記したい人もいるかもしれませんが、保育現場とのつながりで理解した方が、他科目や実践の内容とも結び付きやすくなります。

保育原理は保育の考え方と保育所保育指針がメインとなる

保育原理は、保育とは何かを考える土台になる科目です。

基礎となる保育所保育指針の内容を理解し、保育の目的や保育士の役割をつかむことが中心になります。

そのため、用語を覚えるだけでなく、保育が子どもの育ちにどう関わるのかを考えながら学ぶことが求められます。

まずは、保育所保育指針で押さえたい内容を大まかに整理しておきましょう。

項目
内容
保育の目的
子どもの最善の利益を考え、健やかな成長を支える考え方
保育の内容
養護と教育を一体で行い、生活や遊びを通して育ちを支える内容
保育士の役割
子どもの理解に基づいて適切に関わり、保護者支援にもつなげる役割
家庭や地域との連携
家庭との協力や地域とのつながりを通して子どもの育ちを支える視点

保育原理は、制度から理解したい人は保育所保育指針を軸に読むと整理しやすく、保育士の役割から入りたい人は保育の目的や意義と結び付けて学ぶと理解が深まりやすいです。

初学者はまず指針が示す基本方針を押さえた方が全体像をつかみやすくなります。

条文や用語だけを覚える形に偏ると、保育原理の中心である保育の考え方が見えにくくなるため、保育の目的とあわせて理解することがポイントです。

子ども家庭福祉は家庭支援と制度の理解が問われる

子ども家庭福祉は、子ども本人だけでなく、その子を取り巻く家庭全体を支える視点を学ぶ科目です。

子どもの育ちを支えるには、家庭の状況や利用できる制度まであわせて理解することが欠かせません。

近年は、こども家庭庁の設置やこども家庭センターの整備など、子どもと家庭を一体で支える仕組みづくりも進んでいます。

子ども本人への支援と家庭への支援は、役割を分けて整理すると理解しやすくなります。

支援の対象
主な内容
子ども本人への支援
権利の擁護、生活の保障、発達を支える支援
家庭への支援
子育て支援、相談対応、虐待予防、地域との連携

この科目では、制度名を覚えるだけでなく、なぜ家庭支援が必要なのかまで考えることがポイントです。

制度から整理したい人はこども家庭庁やこども家庭センターの役割を軸にすると理解できます。

一方、支援の場面から考えたい人は子育て支援や虐待予防とのつながりで見ると整理しやすくなります。

社会福祉は福祉制度と相談援助の基礎が出題される

社会福祉は、保育分野に限らず、福祉全体の仕組みや支援の基本を理解する科目です。

制度名を覚えるだけでは足りず、支援が必要な人をどのような制度や相談援助で支えるのかまで学ぶ必要があります。

保育士試験では、子どもに関する内容だけでなく、福祉全体の考え方や支援の土台も問われます。

子ども家庭福祉と混同しやすいため、違いを先に整理しておきましょう。

項目
社会福祉
子ども家庭福祉
対象
高齢者、障害者、子どもなど幅広い
子どもと家庭が中心
特徴
支援全体の土台を広く学ぶ
子ども分野に近い支援を深く学ぶ
内容
福祉制度全体の仕組みや相談援助
家庭支援、子育て支援、虐待予防など

学び始めの段階では、社会福祉を福祉全体の地図として捉えると内容を整理しやすくなります。

子ども家庭福祉との違いがあいまいな人は、対象の広さと支援の範囲に注目すると区別しやすくなります。

制度名だけを並べて覚えるより、何のためにある仕組みなのかまで押さえることが理解の近道です。

教育原理は教育の基本概念と制度を押さえる

教育原理は、教育とは何かという基本的な考え方と、教育を支える制度の基礎を学ぶ科目です。

保育士試験では学校の先生になるための知識ではなく、子どもの育ちを支えるうえで教育がどんな役割を持つのかを理解することが求められます。

考え方と制度の両方が出てくるため、両方の知識が必要です。

教育原理で押さえたい内容は、考え方と制度に分けて理解しましょう。

項目
内容
教育の基本概念
教育の目的、意義、子どもの成長を支える考え方
教育の思想・歴史
教育に関する代表的な考え方や歴史の流れ
教育制度
教育基本法など教育を支える制度の基礎

考え方から入ると抽象的に感じやすいため、初学者は教育制度とあわせて読むと理解しやすくなります。

教育学の理論だけを覚えるのではなく、保育と教育がどう結び付くかまでのつながりを確認しましょう。

社会的養護は施設養護や里親制度の理解が必要である

社会的養護は、家庭での養育が難しい子どもを社会全体で支える仕組みを学ぶ科目です。

保育士試験では制度名や施設名称の暗記にとどまらず、権利を守ることと子どもの自立を支援することまでの理解が求められます。

施設養護や里親制度は、そのために用意された代表的な支援の形です。

社会的養護の考え方は、5原則で整理するとつかみやすくなります。

  • 家庭的養護の推進
  • 個々の子どもの状態に応じた支援
  • 子どもの権利擁護
  • 自立支援の充実
  • 家族関係の再構築への支援

この科目では、施設と里親の違いを覚えるだけでなく、なぜ社会的養護が必要なのかまで考えることが大切です。

制度から整理したい人は支援の種類ごとに学ぶと理解しやすく、子どもの生活環境から考えたい人は権利擁護や自立支援の視点から見ると内容がつながりやすいでしょう。

子どもの保健は発育発達と疾病予防の基礎が中心となる

子どもの保健は、子どもの健康を守るために必要な基礎知識を学ぶ科目です。

保育士試験では、体の成長や病気の予防だけでなく、日々の健康観察や安全管理につながる内容も理解する必要があります。

発育発達、感染症予防、応急処置、アレルギー対応など、保育現場で役立つ内容が広く含まれています。

子どもの健康管理で見るポイントは、以下のとおりです。

項目
見るポイント
発育発達
年齢に応じた体と心の育ちを把握する
疾病予防
感染症の特徴や予防方法を理解する
健康観察
顔色、食欲、機嫌など日常の変化に気づく
衛生・安全管理
清潔の保持や事故防止の基本を押さえる

覚える内容は多いですが、医療の専門知識を深く学ぶというより、保育の場で子どもの変化に気づけるようになることが中心です。

病名や用語だけを追うと難しく感じやすいため、日常の健康管理と結び付けて学んでください。

子どもの食と栄養は発達段階に応じた栄養知識が問われる

子どもの食と栄養は、年齢や発達段階に合わせた食事の考え方を学ぶ科目です。

保育士試験では、栄養素の知識だけでなく、子どもが安心して食べられる環境や食生活の支え方まで理解することが求められます。

授乳や離乳、幼児期の食事、食育の考え方など、保育の場と結びついた内容が中心です。

年齢ごとに見るべきポイントを押さえてください。

年齢・時期
食と栄養のポイント
乳児期
授乳や離乳を通して無理なく食べる力を育てる
幼児期前半
生活リズムを整えながら食事に慣れる
幼児期後半
食への興味や食習慣を育てる食育を意識する

年齢ごとに必要な対応が変わるため、発達段階と食事の関係を把握してください。

栄養素の名前だけを細かく追い過ぎると学びにくくなるので、保育の場で子どもの食生活をどう支えるかという視点で考えると理解しやすくなります。

保育実習理論は保育現場の実践知識を横断的に問う

保育実習理論は、これまで学んだ知識を保育現場の場面に結び付けて考える科目です。

ほかの科目のように内容を個別に覚えるだけでは対応できず、保育の場でどう使うかまで考える応用力が求められます。

そのため、初学者が難しく感じやすい科目になりがちです。

どのような内容が問われやすいかを先に整理すると、勉強の方向が見えやすくなります。

テーマ
内容
保育の計画と記録
指導計画や記録の考え方、評価の基本
色彩の基礎
光の三原色や色の三原色など造形に関わる知識
音楽表現の基礎
音符や記号、リズムなど音楽に関わる知識
言語表現の基礎
子どもに伝わる言葉の使い方や表現の考え方

覚える対象は多いものの、単独の知識としてではなく、保育の場でどう生かされるかを意識しましょう。

用語の暗記だけに偏ると理解しにくいため、保育の場面の中でどの知識がどう使われるのかを結び付けることがポイントです。

保育士試験の実技試験の内容

保育士試験の実技試験は、筆記試験の全科目に合格した人が受けられ、音楽・造形・言語の3分野から2分野を選んで受験します。

筆記のように知識を答える試験ではなく、実際に表現したり実演したりする力が見られるため、各分野で何をするのか全体像を把握してください。

実技試験は各分野50点満点で、選んだ2分野の両方で6割以上を取る必要があるため、片方だけに偏らず準備することが前提です。

まずは、3分野で行う内容と見られるポイントを一覧で確認しておきましょう。

分野名
試験で行うこと
主に見られる力
音楽
弾き歌いで子どもに歌を伝える
演奏、歌唱、表現力
造形
保育場面を条件に沿って絵で表す
構成力、観察力、時間配分
言語
子どもに向けた素話を実演する
話し方、表情、伝わりやすさ

どれも保育の現場で必要になる表現につながっていますが、求められる力や準備方法には違いがあります。

ここでは、各分野の内容を詳しく説明します。

音楽に関する技術は弾き歌いと表現力が評価される

音楽に関する技術では、楽器を弾くだけでなく、歌と伴奏を合わせて子どもに伝わるように表現する力が見られます。

保育士試験の実技では、指定された課題曲を弾き歌いする形が基本で、演奏の正確さだけでなく、リズムや歌い方を含めた全体の伝わりやすさも評価の対象になります。

音楽分野は、上手さだけを競うのではなく、保育の場で子どもに歌を届ける力を確かめる試験です。

音楽分野で重要になる要素を以下にまとめました。

項目
見られるポイント
演奏
伴奏を安定して続けられるか、途中で流れを止めないか
歌唱
歌詞や音程だけでなく、無理なく歌えているか
表現力
子どもに聴かせることを意識したリズムや伝わりやすさがあるか
練習環境
楽器や声出しの練習を継続できる環境があるか

楽器経験が少ない人でも練習で形にしていくことは可能ですが、声を出して合わせる練習や楽器に触れる環境は必要になりやすい分野です。

音を外さないことだけに意識が向くと伝わる演奏になりにくいため、止まらずに最後まで歌い切ることや、子どもに聴かせる場面を意識して練習してください。

造形に関する技術は課題理解と構成力が求められる

造形に関する技術では、絵のうまさだけでなく、課題に合った保育場面を短時間で分かりやすく描く力が求められます。

当日に示された問題文と条件に沿って、45分以内に一場面を絵で表現するため、何を描くべきかを正しく読み取ることが重要です。

評価されるのは芸術作品の完成度よりも、保育の状況が伝わる構成になっているかどうかです。

造形分野で見られる要素を整理すると、練習のポイントがはっきりします。

項目
見られるポイント
課題理解
問題文や条件を読み取り、求められた場面を外さず描けるか
構図
保育士と子ども複数人、空間の広がりを整理して配置できるか
人物表現
基本的な人体の描き方を押さえ、動きが伝わるか

絵が得意かどうかだけで決まる分野ではなく、保育の場面を想定して伝える力が大きく関わります。

細かい描き込みに時間を使い過ぎると全体がまとまりにくくなるため、まずは人物配置と場面設定を優先して考えることがポイントです。

言語に関する技術は話し方と伝え方が重要である

言語に関する技術では、話の内容を覚えるだけでなく、子どもに分かりやすく伝える話し方が求められます。

3歳児クラスの子ども15人ほどを前にした場面を想定して、3分間素話するため、言葉の正確さだけでなく、声の出し方や表情、間の取り方も評価の対象になります。

重視したいのは、上手さよりも、子どもに伝わる話し方です。

言語分野で見られる要素を以下に示します。

項目
見られるポイント
話す内容
3分間で無理なくまとまり、内容が伝わるか
声の出し方
声量、抑揚、聞き取りやすさがあるか
表情
話に合った表情や身振りで伝えられるか
伝わりやすさ
子どもがイメージしやすい話し方になっているか

人前で話すのが好きでも、子どもに向けた話し方になっていないと評価につながりにくいです。

内容を丸暗記するだけでは単調になりやすいため、子どもが場面を思い浮かべやすい声の変化や間の取り方まで意識して練習してください。

保育士試験の実技を選ぶ基準

保育士試験の実技は、どれが簡単かで決めるのではなく、自分に合う分野を選ぶことが重要です。

なぜなら、実技は得意不得意だけでなく、練習環境や本番で力を出しやすいかどうかでも準備の仕方が変わるためです。

実技選びでは、もともとの経験に加えて、続けて練習できるか、本番で再現しやすいかまで含めて判断することが合格に近づくポイントです。

まずは、音楽・造形・言語の違いを比較して、自分に合う分野を確認してみましょう。

分野
向いている人
必要な準備・練習環境
音楽
楽器や歌に慣れている人
弾き歌いの反復練習が必要で、楽器と声出しができる場所を確保しやすい
造形
場面を整理して描くのが得意な人
構図や人物表現の練習が必要で、自宅で短時間でも練習しやすい
言語
人前で落ち着いて話しやすい人
素話の暗記と話し方の練習が必要で、声や表情を使った練習を続けやすい

同じ実技でも、必要な準備や練習しやすさは異なります。

ここで、実技を選ぶ基準をもとに自分に合った分野を見つけていきます。

音楽は日頃から楽器や歌に慣れている人に向いている

音楽分野は、日頃から楽器や歌に触れている人ほど選びやすい実技です。

弾き歌いでは、伴奏しながら歌うだけでなく、子どもに聴かせることを意識した表現まで求められるため、演奏と歌を同時に行うことに慣れている人に向いています。

楽器経験や歌への慣れがあると、演奏そのものに追われにくくなり、伝え方まで意識しやすくなるのが大きな強みです。

音楽に向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • 楽器経験があり、簡単な伴奏に抵抗が少ない
  • 歌いながら演奏することに強い苦手意識がない
  • 自宅などで継続して練習できる環境を確保しやすい
  • 本番でも落ち着いて最後まで止まらず表現しやすい

未経験でも選べないわけではありませんが、演奏と歌を同時に練習する必要があるため、負担は増えます。

技術の高さ以上に、反復練習を通して本番で安定して発揮できるかどうかが重要です。

造形は短時間で構図をまとめるのが得意な人に向いている

造形分野は、絵が上手い人だけでなく、限られた時間で場面を整理して描ける人に向いています。

当日に示された保育の一場面を、時間内に縦横19cmの枠内へまとめる必要があるため、何をどう配置するかを素早く考える力が求められます。

評価されるのは芸術的なうまさより、課題に沿って保育場面を分かりやすく表せるかどうかです。

造形で意識すべき点は、以下のとおりです。

  • 保育士や子どもの配置を考えながら描く
  • 時間配分を意識して、途中で止まらず最後まで仕上げる
  • 人物表現の基本を押さえ、動きや関わりを描ける
  • 問題文の条件を外さずに場面をまとめる

描き込みの細かさに意識が向き過ぎると、全体の構成が崩れやすくなります。

造形は絵心より、課題文を読んで必要な要素を時間内に配置できるかで選んでください。

言語は人前で話すことに抵抗が少ない人に向いている

言語分野は、人前で話すことに強い苦手意識がなく、声や表情を使って伝えることが得意な人に向いています。

3歳児クラスの子ども15人ほどを前にした場面を想定して、道具を使わずに3分間の素話を行うため、話の内容だけでなく、聞き手を引きつける伝え方まで求められます。

言語分野で見られるのは雑談のうまさではなく、子どもに分かりやすく話を届ける表現力です。

言語に向いている人の特徴をまとめました。

  • 人前で話すことへの抵抗感が少ない
  • 抑揚をつけて話せる
  • 表情や身振りを使って場面を伝えられる
  • 暗記した内容を不自然になり過ぎず、流れを意識して話せる

話すことが好きでも、子ども向けの話し方になっていなければ評価につながりにくい分野です。

自然な会話力よりも、短い時間で内容を分かりやすくまとめ、幼児がイメージできるような伝え方を意識してください。

実技は得意不得意だけでなく練習環境でも選ぶべき

実技は、得意か苦手かだけで決めるのではなく、実際に練習を続けられる環境まで含めて選ぶべきです。

どれかの分野に少し興味があっても、練習場所や必要な道具を確保できないと、本番までに仕上げることが難しくなります。

実技選びで見落としやすいのは、向き不向きよりも、日常の中で無理なく準備できるかどうかです。

実技選びで確認したい項目は、以下のとおりです。

確認項目
内容
得意分野
音楽・造形・言語のうち、もともと取り組みやすい分野があるか
練習場所
自宅や周囲で継続して練習できる場所を確保できるか
必要道具
楽器、画材、声出しの環境など、分野ごとに必要な準備をそろえられるか
時間の確保
仕事や家事と両立しながら、本番を意識した練習時間を取れるか

得意であっても練習場所がなければ形になりませんが、未経験でも環境さえ整えば合格ラインまで十分に伸ばせます。

楽器や声出しの環境を確保しにくいなら音楽は慎重に選び、自宅で反復しやすいなら造形や言語を優先して検討してください。

保育士試験でつまずきやすいポイント

保育士試験でつまずきやすいのは、試験自体が特別に難しすぎるからではなく、苦戦しやすい理由がいくつか重なっているためです。

初学者が引っかかりやすい部分を先に知っておくと、自分がどこに注意して対策を進めるべきかが見えやすくなります。

保育士試験は、科目数の多さ、制度の整理しにくさなどが重なることで難しく感じやすい試験です。

苦手意識だけで止まらず、何がつまずきやすい原因なのかを分けて見ることが大切です。

ここでは、初学者が特につまずきやすいポイントを順に確認していきます。

保育士試験は科目数の多さが難しさにつながりやすい

保育士試験は、1科目ごとの難しさよりも、9科目を並行して把握しなければならない点で負担が大きくなりやすいです。

内容の方向が違う科目を同時に進めるため、理解が追いつかないというより、何をどこまで学んだか管理しにくくなることがつまずきの要因です。

苦手科目が少なくても、学習量の広さと復習の回しにくさで手が止まりやすいのが保育士試験の特徴です。

科目数が多いことで起こりやすい悩みは、以下のとおりです。

科目数が多いことで起こる悩み
  • どの科目から手を付けるべきか分からなくなる
  • 覚えた内容を別の科目の勉強中に忘れやすい
  • 復習のタイミングがずれて知識が定着しにくい
  • 短期間で詰め込もうとして中途半端になりやすい

1科目を完璧にすることより、全体の進捗をコントロールすることが、多科目を攻略する鍵となります。

まずは各科目のボリュームを把握し、復習まで含めた長期的なスケジュールを俯瞰して描くことから始めましょう。

制度系科目は用語と仕組みの整理ができないと苦戦しやすい

制度系科目は、用語だけを丸暗記すると混乱しやすく、仕組みごと整理しないと苦戦しやすい分野です

教育原理、保育原理、子ども家庭福祉、社会福祉、社会的養護では、似た言葉や役割の近い制度が出てくるため、違いをつかまないまま覚えると知識が混ざりやすくなります。

社会福祉法人の調査では、「教育原理」は人物名や法律の序文を正確に記憶する必要があり、9科目の中で最も難易度が高いとされていました。

制度系科目で混同しやすい用語の比較は、以下のとおりです。

科目
用語
整理のポイント
保育原理
保育所保育指針
保育の目的や内容の基本方針を示すものとして押さえる
子ども家庭福祉
こども家庭庁・こども家庭センター
行政の役割と地域の支援拠点の違いで整理する
社会福祉
相談援助・権利擁護
支援の方法と利用者を守る仕組みとして分けて覚える
教育原理
教育基本法・学校教育法
教育の理念を示す法と制度の枠組みを定める法で見分ける
社会的養護
施設養護・家族的養護
支援の場の違いと家庭に近い養育かどうかで整理する

制度系は覚える量の多さより、似た言葉の違いがあいまいなまま積み上がることがつまずきの原因になりがちです。

一気に暗記しようとせず、誰のための制度か、何をする仕組みかに分けて整理してください。

保育実習理論は実践的な理解が必要で難しいと感じやすい

保育実習理論は、知識を覚えるだけでは対応しにくく、保育の場面をイメージしながら考える必要があるため難しいと感じやすい科目です。

ほかの科目で学んだ内容を組み合わせて考える問題も多く、単独の暗記科目として捉えられません。

保育実習理論でつまずきやすいのは、知識不足よりも、知っている内容を現場の場面に結び付けられないことが多くみられます。

保育実習理論では、以下の内容が問われます。

  • 保育の計画、記録、環境構成などを場面に合わせて考える力
  • 音楽、造形、言語、子どもの発達、保育の考え方など複数科目の知識

暗記中心の科目に慣れている人ほど、答えをそのまま探そうとして難しく感じやすくなります。

難しいと感じる理由は人によって違いますが、現場の動きや子どもとの関わりを思い浮かべながら整理しましょう。

保育士試験の合格基準と科目合格制度

保育士試験は、何となく高得点を取れば受かる試験ではなく、筆記と実技それぞれに決まった合格基準があります。

合格の仕組みを先に知っておくと、苦手科目を放置しにくくなり、1回で全部受けるか、科目合格制度を使って進めるかも判断しやすくなります。

保育士試験は総合点だけで決まるのではなく、筆記は科目ごと、実技は選んだ2分野ごとに基準を満たす必要がある試験です。

まずは、筆記試験、実技試験、科目合格制度の違いを整理して確認しましょう。

項目
注意点
筆記試験
総合点が高くても、基準未満の科目があると合格にならない
実技試験
片方だけ基準を超えても合格にはならない
科目合格制度
一度に全科目合格できなくても、残り科目に集中しやすい

合格基準を知っておくと、どこを優先して勉強すべきかが見えやすくなります。

ここでは、筆記、実技、科目合格制度の仕組みをそれぞれ順に見ていきます。

筆記試験は各科目で合格基準を満たす必要がある

筆記試験は、総合点が高ければ受かる仕組みではなく、科目ごとに合格基準を満たす必要があります。

得意科目で点数を稼いでも、基準に届かない科目があれば合格にならないため、苦手科目を後回しにしにくい試験です。

保育士試験の筆記は、全体のバランスよりも、各科目を一定水準まで仕上げることが重要です。

筆記試験の合格判定の仕組みは、以下のとおりです。

判定対象
合格条件
注意点
各科目
原則100点満点中60点以上
得意科目だけで補えないため、苦手科目も基準まで引き上げる必要がある
教育原理・社会的養護
各50点満点で両方30点以上
片方だけ合格しても認められず、同じ回で両方そろえる必要がある

全体の点数を見るのではなく、まずは各科目で合格ラインを超えられるかを基準に勉強計画を立ててください。

特に教育原理と社会的養護はセットで判定されるため、片方だけを優先せず、注意して学習計画を立てる必要があります。

実技試験は選択した2分野の両方で基準を満たす必要がある

実技試験は、選んだ2分野の両方で基準を満たす必要があります。

音楽・造形・言語の3分野から2分野を選んで受験しますが、片方だけ高得点でももう一方が6割未満なら合格にはなりません。

実技は得意な1分野だけに注力するのではなく、選んだ2分野をどちらも合格ラインまで持っていく前提で準備することが大切です。

片方で補えると考えてしまうと仕上がりに差が出やすいため、最初から2分野を並行して勉強する必要があります。

科目合格制度を活用すると学習負担を分散しやすい

科目合格制度を活用すると、筆記試験を一度で全科目突破しなくても、合格した科目を次回以降に持ち越しながら進められます。

仕事や家事と両立しながら受験する人にとっては、学習範囲を分けて取り組めるため、1回ごとの負担を抑えられる制度です。

科目合格制度は、一部科目に合格するとその科目が一定期間免除される制度で、合格した年を含めて3年間有効です。

また、一定の勤務経験がある場合は、申請により合格科目の有効期間を最長5年まで延長できます。

科目合格制度を利用した合格ステップは、以下のとおりです。

1

1回目で一部科目に合格する

合格した科目は次回以降の筆記試験で免除される

2

次回は残り科目に集中する

学習範囲をしぼって負担を分散しながら進める

3

筆記合格後に実技へ進む

全科目がそろった段階で実技試験の受験に進む

一度に全科目を仕上げるのが難しい人は、科目合格制度を前提に中長期で計画を立てると進めやすくなります。

制度を使えば自動的に楽になるわけではなく、有効期限の管理や残り科目の把握が必要です。

科目免除制度と混同せず、まずは合格した科目を一定期間持ち越せる仕組みとして理解してください。

合格基準を先に知ることで対策の優先順位が決めやすくなる

合格基準を先に知っておくと、どこに力を入れて勉強すべきかが見えやすくなります。

保育士試験は総合点だけで決まるわけではないため、全体像を知らずに勉強を始めると、苦手科目を後回しにしたり、実技の準備時期を誤ったりしてしまいます。

合格基準を理解することは、勉強の順番を決める前に、どこを落とせないかを把握するための土台になります。

先に知るべきことと、後で詰めることは以下のとおりです。

先に知るべきこと
後で詰めること
筆記は科目ごとに合格基準がある
各科目で使う参考書や細かな解き方
実技は選択2分野とも基準を満たす必要がある
実技ごとの具体的な練習内容や完成度の上げ方
科目合格制度を使って負担を分散できる
何年計画で受けるか、どの科目を重点化するか

最初に合格の仕組みを押さえておけば、苦手科目を後回しにし過ぎず、短期集中で進めるか分散型で進めるかを判断できます。

勉強法の細部まで決めるより、どこを優先して落とせないかを見極めることが先です。

保育士試験の問題数と試験日程の見方

保育士試験の問題数と試験日程は、受験勉強の進め方や当日の動き方を考えるうえで先に押さえておきたい情報です。

問題数や試験時間、前期・後期の流れを早めに把握しておくと、どの科目にどれだけ時間をかけるべきかや、受験準備をいつ始めるべきかが見えてきます。

保育士試験は毎年2回、前期と後期に分けて実施され、筆記試験の全科目に合格した人だけが実技試験に進める仕組みです。(※参考:厚生労働省「保育士試験」)

問題数や実施形式は年度によって変更される場合もあるため、学習計画に使うときも最後は最新の試験要項で確認することが大切です。

筆記試験は科目ごとに出題数と試験時間が決まっている

筆記試験はどの科目も同じ形式ではなく、科目ごとに問題数と試験時間が決まっています。

出題数と時間を先に知っておくと、1科目ごとの重さや本番で必要になる集中力をイメージしやすくなり、勉強量の見積もりにもつながります。

科目別の問題数と試験時間は、以下のとおりです。

科目名
問題数
試験時間
保育原理
20問
60分
子ども家庭福祉
20問
60分
社会福祉
20問
60分
保育の心理学
20問
60分
子どもの保健
20問
60分
子どもの食と栄養
20問
60分
保育実習理論
20問
60分
教育原理
10問
30分
社会的養護
10問
30分

問題数と時間の違いを把握しておくと、同じ1科目でも求められる解き方が少しずつ異なることに気づけます。

問題数だけを見て難しさを決めるのではなく、時間内にどう対応する試験なのかを意識して見ていくことが大切です。

試験日程は前期と後期の流れを理解して確認することが大切

保育士試験は前期と後期の年2回実施されるため、年間の流れを見ながら受験計画を立てることが大切です。

申込時期、筆記試験、実技試験の順番をまとめて把握しておくと、勉強開始の時期を逆算でき、仕事や家事との両立も考えやすくなります。

日程は試験日だけでなく、申請開始から実技までを一連の流れで見ることが重要です。

前期と後期の流れの目安は、以下のとおりです。

区分
前期
後期
受験申請期間
1月上旬〜下旬ごろ
夏ごろ
筆記試験
4月ごろ
10月ごろ
実技試験
6月下旬〜7月上旬ごろ
12月ごろ

短期集中で受けたい人は前期までの準備期間を基準にし、余裕を持って進めたい人は後期まで含めて年間で考えると計画を立てやすくなります。

令和8年度前期は、筆記試験が4月18日・19日、実技試験が6月28日となっています(参考:全国保育士養成協議会「試験日程・科目」)。

しかし毎年同じ日程とは限らないため、最終的には最新の試験要項で確認する必要があります。

科目ごとの順番を把握すると当日の負担を想定しやすい

科目ごとの順番を把握しておくと、試験当日の集中力や体力の使い方を考えやすくなります。

筆記試験は1日で1科目だけ受ける形ではなく、複数科目を順に受けるため、どのタイミングで苦手科目が来るかを知っておくと心の準備ができます。

特に2日目は教育原理と社会的養護が連続して実施されるため、短時間で切り替える必要があります。

試験当日の流れは、以下のとおりです。

日程
科目順
1日目
保育の心理学 → 保育原理 → 子ども家庭福祉 → 社会福祉
2日目
教育原理 → 社会的養護 → 子どもの保健 → 子どもの食と栄養 → 保育実習理論

順番を知っておくと、苦手科目が前半なのか後半なのかを踏まえて本番をイメージしやすくなります。

過去問演習でも科目ごとに切り分けるだけでなく、当日の並びを意識して解いておくと、体力や集中力の配分をつかみやすくなります。

受験前は最新の試験要項を必ず確認するべきである

受験前は、最新の試験要項を必ず確認することが必要です。

保育士試験は毎年同じように見えても、日程や申請方法、制度の扱いが変わることがあるため、ネット上の古い記事だけで判断すると準備にずれが出るおそれがあります。

最終的には、一般社団法人 全国保育士養成協議会が公表する最新の受験要項を確認してください。(※参考:一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ」

受験前の確認項目チェックリストは、以下のとおりです。

受験前の確認項目チェックリスト
  • 試験日程が今年度の最新情報になっているか
  • 申込条件や申請期間に変更がないか
  • 受験会場や受験地の案内
  • 当日の持ち物や提出物に不足がないか

制度は法令や社会状況の変化にあわせて見直されることがあり、地域限定保育士のように受験機会の扱いが変わる場合もあります。

慌てて細かい情報を集めるより、受験前はまず最新の要項を起点に確認する方が、抜け漏れを防げます。

保育士試験の内容を踏まえた勉強順と対策の進め方

保育士試験は科目数が多く実技もあるため、思いついた順に勉強すると非効率です。

最初に全体像をつかみ、知識の土台になる科目から進めたうえで過去問と実技準備につなげると、何を優先すべきかが見えやすくなります。

まずは、勉強の進め方を4つの段階で確認してみましょう。

1

全体像を把握する

筆記9科目と実技2分野の仕組みを先に整理する

2

制度系・基礎科目から進める

理解の土台になる科目を先に押さえる

3

過去問演習で出題傾向をつかむ

苦手分野と時間配分を確認しながら調整する

4

実技試験の準備も並行して進める

筆記対策と並行して早めに方向性を固める

この流れは初学者が進めやすい基本ステップであり、全員に同じ順番が当てはまるわけではありません。

制度系が苦手な人は基礎理解に時間をかけ、実技経験が少ない人は早めに練習環境まで整えておきましょう。

最初に試験全体と9科目の位置づけを把握する

最初に試験全体と9科目の位置づけを把握しておくと、後から勉強の順番を決めやすくなります。

いきなり1科目ずつ暗記し始めると、制度を学ぶ科目なのか、発達を理解する科目なのかが見えにくくなるためです。

勉強を始める前に試験の地図を持っておくことが、迷わず進めるための出発点です。

試験全体の流れは、以下のとおりです。

1

筆記9科目の全体像を確認する

どの科目が何を学ぶものかを整理する

2

各科目の役割を大まかにつかむ

制度理解・発達理解・実践理解の違いを見分ける

3

実技まで含めた流れを押さえる

筆記合格後に実技へ進む流れを把握する

この段階では細かな暗記に入るより、どの科目が土台になり、どの科目が応用につながるのかを見渡すことが先です。

最初に全体像を整理しておくと、途中で迷わずに勉強の順番を見直せます。

制度系と基礎科目から着手すると理解がつながりやすい

制度系と基礎科目から着手すると、後から学ぶ科目とのつながりを作りやすくなります。

最初に土台になる科目を押さえておくと、用語や考え方が他の科目でも生きやすくなるため、学習の迷いが少なくなります。

最初から保育実習理論のような応用色の強い科目に入ると、前提知識が足りず挫折してしまいます。

先に取り組みやすい科目は、以下のとおりです。

科目
理由
保育原理
保育の目的や保育所保育指針を押さえやすく、学習の土台になりやすいため
子ども家庭福祉
制度と家庭支援の基本がわかり、他の制度系科目につながりやすいため
保育の心理学
子どもの発達理解を通して、保健や食と栄養にも結び付きやすいため
子どもの保健
日常の健康管理と結び付けて考えやすいため

制度系や基礎科目は覚えることが少ないから先にやるのではなく、後続科目の理解を深める役割が大きいためです。

応用科目でつまずきたくない人ほど、まずは土台になる知識を先に勉強しておきましょう。

過去問を使って出題傾向をつかむことが重要である

過去問を使うことは、保育士試験で何がどのように問われるのかをつかむうえで重要です。

参考書を読むだけでは知識を増やしにくく、過去問を解くことで、試験の出題傾向や自分の苦手分野を分析できます。

過去問は、以下の流れを参考に活用してください。

1

まず解く

今の理解でどこまで解けるかを確認する

2

間違いを確認する

どの分野で迷ったか、どこが弱いかを整理する

3

関連知識を復習する

参考書やまとめで理解不足を補う

4

再演習する

同じテーマを解き直して定着を確認する

早い段階で過去問に触れると、頻出テーマや時間配分の感覚をつかみやすくなります。

もっとも、過去問だけを繰り返しても理解が浅いままだと応用しにくいため、間違えた理由を確認して知識を補強することが大切です。

実技は筆記対策と並行して早めに準備する

実技は筆記試験に合格したあとに受けますが、準備そのものは早めに始めてください。

特に音楽や言語のように繰り返し練習が必要な分野は、筆記が終わってから一気に仕上げようとすると負担が大きくなりやすいです。

筆記対策を中心に進めながらも、実技は分野選びと練習環境の確認だけでも先にしておくと、後半で慌てにくくなります。

造形なら画材、音楽なら楽器や練習場所、言語なら声を出せる環境など、分野ごとに準備の前提が違うためです。

注意点

実技の準備を早めに始めるといっても、学習の中心はあくまで筆記であり、実技ばかりを優先し過ぎないようにしましょう。

保育士試験は独学でも合格できるのか

保育士試験は独学でも合格を目指せますが、誰にでも同じように向いているわけではありません。

科目数が多く、筆記と実技の両方を管理しながら進める必要があるため、自分で計画を立てて続けられるかどうかで進めやすさが大きく変わります。

独学が向いているかは、知識量よりも、学習管理・生活との両立・疑問点の解消方法を自分で整えられるかが大切です。

まずは、独学に向いている人の特徴を確認してみましょう。

  • 学習管理ができ、科目ごとの進み具合や復習の予定を自分で見直せる
  • 生活との両立を考えながら、平日や休日に勉強時間を確保できる
  • 苦手科目が少ない、または苦手分野を自分で補強できる
  • 質問環境がなくても、参考書や過去問を使って疑問点を把握できる

独学が合う人もいれば、苦手科目の多さや生活状況によっては教材や講座を使った方が合っている人もいます。

ここでは独学か講座かを決め切るのではなく、自分が続けやすい方法を見極めることが大切です。

独学でも合格は可能だが学習管理が必要

独学でも保育士試験の合格は目指せますが、自分で学習管理する必要があります。

筆記9科目と実技対策を同時並行で進める必要があるため、進捗管理が疎かになると、膨大な学習量の多さに圧倒されやすく、挫折の原因になりやすいです。

全国保育士養成協議会の受験動機の調査では、自分のペースで勉強して取得したいと回答していた人が23.6%を占めており、独学を選ぶ人は一定数いることがわかります。

独学で必要な管理項目は、以下のとおりです。

独学で必要な項目
  • 学習計画を立てて、科目ごとの着手時期を決める
  • 進捗を管理し、遅れや理解不足を見直す
  • 過去問演習を通して苦手分野と出題傾向を把握する
  • 実技準備の開始時期や練習環境も並行して整理する

独学が合うかどうかは、費用だけで決めるのではなく、管理の負担も含めて考える必要があります。

自分で計画を修正しながら進められる人には向いていますが、進捗管理が苦手な人は別の方法も視野に入れてください。

仕事や家事と両立する人は計画的な進行が重要

仕事や家事と両立しながら保育士試験を目指すなら、まとまった時間を待つのではなく、無理のない計画で進めることが重要です。

毎日長時間勉強できなくても、平日と休日で役割を分けて学習を積み重ねれば、科目数の多い試験でも効率よく進められます。

合格者の実態調査では30代〜40代の子育て世代が62.2%を占めており、忙しい中で学習を続けている人が多いことが分かります。

忙しい人向けの学習計画のイメージは、以下のとおりです。

時間の取り方
進め方
平日
短時間で1科目ずつ確認し、暗記や復習を進める
休日
過去問演習や理解が浅い科目の補強に時間を使う
長期休み
苦手分野を重点的に見直す

忙しい人ほど、続けやすい仕組みを作ることが大切です。

平日に30分単位でしか取れないなら暗記と見直し、休日にまとまった時間が取れるなら過去問演習に取り組むなどを決めておきましょう。

苦手科目が多い人は講座や教材の活用も選択肢

苦手科目が多い人は、独学だけにこだわらず、講座や教材を活用する方法も考えられます。

制度系科目や保育実習理論のように、用語の整理や応用理解でつまずきやすい科目が重なると、自分だけでは理解が不足するためです。

自力で解決しにくい分野で立ち止まってしまうなら、専門的な解説や要点がまとまった教材を頼る方が、結果としてスムーズに合格ラインへ到達できます。

講座や教材の活用を検討すべき人は、以下のとおりです。

  • 苦手科目が多く、どこから勉強すればよいかわからない
  • 理解の詰まりが続き、参考書だけでは理解できない
  • 質問環境がないと不安で、疑問点をすぐ解消したい
  • 学習の遅れがあり、短期間で要点を整理したい

講座や教材は、誰にとっても必要なものではありません。

独学で進められる人はそのままでもよい一方、理解不足や管理の難しさが続くなら、学びやすい形に切り替えることも現実的な選択です。

自分に合う学習方法を選ぶことが継続の鍵

自分に合う学習方法を選ぶことは、保育士試験を続けるうえでとても重要です。

独学がよいか講座がよいかは人によって異なり、続けやすさや理解しやすさを基準に考える必要があります。

同じ教材でも、1人で進める方が合う人もいれば、説明や管理の助けがあった方が進みやすい人もいます。

すぐに正解を探すより、自分が続けやすい形を選ぶ方が重要です。

学習方法の選び方

自分で進捗を見直せるなら独学、疑問点が解決できないなら教材や講座も併用する、という基準で選びましょう。

保育士試験の内容に関するよくある質問

保育士試験の内容について、難しい科目や実技の準備、独学の可否など細かな疑問を持つ方が多いです。

特に、どの科目が難しいのか、実技では何に気をつけるべきか、独学でも合格を目指せるのかなど、受験前に確認しておきたい点は少なくありません。

ここでは、保育士試験の内容に関するよくある質問をQ&A形式で簡潔に解説します。

保育士試験で1番難しい科目は何か

保育士試験で1番難しい科目は、人によって異なります。

9科目の中でよく難しいと言われやすいのは、保育実習理論や制度系科目です。

保育実習理論は応用的な理解が必要で、教育原理は人物名や法規の整理に苦手意識を持ちやすいためです。

科目ごとの相性は違うので、自分が暗記型でつまずくのか、応用型で迷うのかを見極めてください。

保育士試験の実技でスニーカーは履けるのか

保育士試験の実技でスニーカーを履けるかは、年度ごとの試験要項で確認する必要があります。

動きやすい靴が向いている場面はありますが、服装や靴の扱いは実施要領に従うことが前提で、主観や体験談だけで判断しない方が安全です。

特に実技は当日の実演に支障がないことも大切なので、受験前は最新の要項で服装に関する案内まで確認しておきましょう。

保育士試験の一発合格率はどれくらいか

保育士試験の一発合格率は高いとは言いにくく、全体の合格率は近年おおむね20%前後で推移しています。

2024年度の保育士試験では、合格率が前期26.8%、後期26.6%とされており、およそ4人に1人程度の合格にとどまりました。

この数字だけで必要以上に不安になる必要はなく、科目合格制度を活用しながら段階的に進める方法もあります。

保育士資格は独学で取れるのか

保育士資格は、独学でも取得を目指せます。

試験に合格すれば資格取得を目指せますが、筆記9科目と実技の準備を自分で管理する力が必要です。

実際には養成校卒業者が多い一方で、試験合格者として資格を得ている人もいるため、独学が不可能というわけではありません。

苦手科目が多い人や学習管理に不安がある人は、教材や講座の活用も検討しましょう。

保育士試験の内容は全体像を理解してから対策を始めることが大切

保育士試験の対策は、情報を集めるだけで終わらせず、次にやることを決めた段階から進みやすくなります。

まずは、筆記試験が科目ごとの合格判定であることと、実技試験は選んだ2分野の両方で基準を満たす必要があることを確認してください。

次に、音楽・造形・言語の中から、自分の得意不得意と練習しやすさを踏まえて、受ける実技2分野を仮に決めておきましょう。

そのうえで、保育原理や保育の心理学など、最初に取り組む1科目を決めると、勉強をスムーズに始められます。

本記事のまとめは、以下のとおりです。

本記事のまとめ
  • 筆記と実技の合格条件を先に確認する
  • 自分に合う実技と優先して補強する科目を決める
  • 試験内容に合わせて勉強順を決める
  • 過去問と実技試験の準備を並行して進める

まずは、筆記と実技の合格条件を確認し、自分に合う実技と最初に補強する科目を決めてください。

まず筆記と実技の合格条件を確認する

保育士試験の対策を始める前に、まず筆記と実技の合格条件を確認しておくことが必要です。

筆記は9科目それぞれで基準を満たす必要があり、実技は3分野から選んだ2分野の両方で合格ラインを超えなければいけません。

どこか1つで高得点を取ればよい試験ではなく、筆記も実技もそれぞれの条件をそろえて合格を目指す試験だと理解しておくことが前提です。

合格条件が分かっていれば、勉強量の多さに振り回されず、自分に必要な準備がわかります。

注意点

最初は各科目の細かな内容まで広げず、まずは筆記と実技の合格条件をまとめて把握することを優先しましょう。

自分に合う実技と優先して取り組む科目を決める

合格に近づくには、実技を何となく選ぶのではなく、自分に合う分野と優先して取り組む科目を早めに決めることが重要です。

実技は得意不得意だけでなく練習環境でも選択が変わります。

一方、筆記は制度系や保育実習理論のようにつまずきやすい科目を後回しにすると負担が増えます。

実技と筆記を別々に考えるのではなく、先に方向性をそろえておくと、対策の優先順位が明確になるでしょう。

実技選択と苦手科目把握のチェックポイントは、以下のとおりです。

実技選択+苦手科目把握のチェックリスト
  • 実技は得意分野だけでなく、練習場所や必要な道具まで含めて選べているか
  • 音楽・造形・言語のうち、本番まで続けて準備しやすい分野を見極められているか
  • 制度系科目や保育実習理論など、自分がつまずきやすい科目を把握できているか

どの実技を選ぶかと、どの科目から補強するかをあわせて決めておくと、その後の勉強計画を立てやすくなります。

試験内容に合わせて勉強順を決めれば対策は進めやすくなる

試験内容に合わせて勉強順を決めると、何から始めるべきかがはっきりし、学習を続けやすくなります。

全体像を見たうえで、制度系や基礎科目から入り、過去問と実技準備につなげると、スムーズに内容を理解できます。

順番を決めないまま進めると、苦手科目の補強や実技の準備開始が遅れやすいため、最初に学習の流れを作っておくことが必要です。

今日からやること3つは、以下のとおりです。

今日からやること3つ
  • 筆記9科目と実技2分野の全体像を見直し、試験の流れを整理する
  • 制度系や基礎科目から着手する順番を決めて、最初に取り組む科目を選ぶ
  • 過去問を活用しつつ、実技の方向性を確認する

自分の生活に合う順番で進められれば、筆記と実技を両立しながら学習が続けられます。

まずは最初の1科目と実技の方向性を決め、学習を始める準備まで進めてみてください。

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