子どもにとって長い時間を過ごす保育園。どうせなら「楽しく学びながら成長できる園」を選びたいですよね。
内閣府の調査によると、令和5年4月1日時点で全国の保育所等の定員は約305万人、利用児童数は約272万人にのぼります。
待機児童数は減少傾向にあるものの、依然として多くの家庭が“どんな園を選ぶか”に悩む状況です。
実は近年は、英語や自然体験、アート教育など、子どもの個性を育てるユニークな取り組みを行う園が増加中なんです。
本記事では、そんな「この園すごい!」と思える保育園を全国から紹介し、後悔しない選び方のコツも解説します。
どう選ぶ?後悔しない保育園選びの基本ポイント
数ある保育園の中から「どこを選べばいいのか分からない」と感じる保護者は多いでしょう。
安心して預けられる環境を見極めるためには、園の立地や料金だけでなく、教育方針や日々の取り組みに目を向けることが大切です。
ここでは、保育園選びで後悔しないための3つの基本ポイントを紹介します。
教育・保育方針をチェックする
保育園ごとに掲げている教育・保育方針は大きく異なります。
たとえば「子どもの自主性を大切にする」「自然と触れ合う体験を重視する」「英語や音楽などの早期教育に力を入れる」など、その理念が園の活動全体に反映されています。
見学時には掲示物やパンフレット、先生の言葉から方針を読み取り、「自分たちの子育て方針と合っているか」を確認しましょう。
先生や園の雰囲気を見極める
実際に園を訪れると、先生や子どもたちの表情から多くのことが分かります。
園児がのびのび過ごしているか、先生同士のコミュニケーションが円滑か、声かけのトーンが温かいかなどを観察するのがおすすめです。
保育士の人柄やチームワークは、日々の保育の質に直結します。
日々の活動・カリキュラム内容を確認する
園によって1日の過ごし方や学びの内容はさまざまです。
制作・運動・音楽・戸外活動など、バランスの取れたカリキュラムかどうかをチェックしましょう。
また、ICTやデジタルツールを活用している園も増えており、家庭との連携がスムーズに行える仕組みが整っているかも重要なポイントです。
注目を集める“面白い取り組み”とは?
近年の保育園は、単に子どもを預ける場所ではなく「学びと成長の場」へと進化しています。
子どもの創造性や探究心を育むために、さまざまなユニークな取り組みを導入する園が増加中です。
ここでは、全国で注目を集めている4つの取り組みを紹介します。
創造力を育てるアート・STEAM教育
絵画や工作といった従来の造形活動に加え、近年は「STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学)」の考え方を取り入れる園が増えています。
子どもが“遊びながら考える力”を伸ばすことを目的とし、実験や観察、自由制作などを通じて発想力を育みます。
こうした学びは小学校以降の学習意欲にも良い影響を与えるとされています。
自然体験・アウトドア活動
園庭での菜園活動や森・海での自然体験を重視する保育園も増えています。
自然の中での活動は、五感を使った学びを促し、思いやりや協調性を育てるきっかけになるでしょう。
文部科学省の調査でも、自然とのふれあい体験は子どもの「社会性」や「自尊感情」に良い影響を与えると報告されています
多文化・英語教育を取り入れた園
外国人講師による英語あそびや、海外の文化に触れるイベントを実施する園も人気です。
「英語を教える」というよりも、異文化に親しみを持たせることを目的としており、自然なコミュニケーション力が身につきます。
グローバル社会を見据えた教育方針として、都市部を中心に導入が進んでいます。
ICT・AIを活用した先進的な保育
保育業界にもデジタル化の波が広がっています。
登降園管理や連絡帳をアプリで完結させる園、AIカメラで安全を見守る園など、ICTを活用することで職員の負担を軽減し、保育の質を高める動きが進んでいます。
保護者にとっても、園の様子を写真や動画でリアルタイムに共有できる点が大きな魅力です。
この園すごい!全国のユニークな取り組み保育園
全国には、子どもの個性や地域の特色を生かしたユニークな取り組みを行う保育園が数多くあります。
ここでは、創造性・自然体験・英語・地域交流など、多様なテーマで注目されている園を紹介します。
まちのてらこや保育園
まちのてらこや保育園(東京都中央区日本橋)
「まちのてらこや保育園」は、東京都中央区日本橋にある私立認可保育園です。
“まちのみんなが先生で、まち全体が保育園”を掲げ、園舎という枠を超えて地域そのものを学びのフィールドに広げる、ユニークで温かい取り組みが注目を集めています。
子どもも大人も「自分らしく生きられる場所」であることを目指し、互いの個性を認め合いながら、まちの人々に見守られ、育ち合う日々を大切にしています。
まち全体を園庭に見立てた“まちぐるみの保育”
園は日比谷線・都営浅草線「人形町駅」から徒歩3分という都心の好立地にあります。
木のぬくもりを生かした内装と開放的な保育室が特徴で、子どもたちが安心して過ごせる空間が整えられています。
ビルイン型のコンパクトな園舎には大きな園庭こそありませんが、その代わりに「まち全体が保育園」。
子どもたちは散歩道で商店や神社の方々に挨拶をしながら、自然と社会性や思いやりを身につけていきます。
老舗の扇子屋さんや和紙屋さん、和菓子屋さんを訪ねたり、地域の夏祭りや初午祭に参加したりと、園外活動は日常の一部です。
お花屋さんとの「花育」、料亭のご主人による魚さばきの実演、地域の高齢者施設との交流など、“まちぐるみの学び”を通して子どもたちはさまざまな人と出会い、生きた知恵に触れています。
働く家庭を支える仕組みと安心の環境づくり
共働き家庭を支える工夫も充実しています。
連絡帳はスマホアプリで共有し、園での様子を写真付きでタイムリーに配信。
オムツのサブスクサービスやキャッシュレス決済システムの導入により、忙しい保護者のみなさんの日々の負担を軽減しています。
ICTを活用した取り組みも多く取り入れており、子どもたちの様子をきめ細やかに見守る環境が整っています。
こうした取り組みのすべてが、保護者・職員・地域が一体となって子どもを育む“安心の循環”を支えています。
地域とともに育つ「学びのコミュニティ」
まちのてらこや保育園では、保育士だけでなく地域の大人たちも子どもたちの先生。
多世代・多職種の人々が関わり合うことで、まち全体がひとつの学びのコミュニティとして機能しています。
また、夏休みなどの長期休暇には、小・中・高校生を対象にした「保育のおしごと体験」も実施。
園児を育てるだけでなく、地域の若者にも“学びの場”を開くことで、将来の保育士育成や地域の絆づくりにもつながっています。
子どもの笑顔がまちを元気にする
「まちのてらこや保育園」は、まちに子どもの笑顔を増やし、地域に根ざした子育て文化を育む拠点として、これからも“まちぐるみで育てる保育”を広げていきます。
この町で、子どもと一緒に“育つ”時間を楽しみたいご家庭に、ぴったりの保育園です。
| 名称 | まちのてらこや保育園 |
|---|---|
| 所在地 | 〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町4-1 ミズホビル1F・2F |
| 開園時間 | 7:30~18:30 (延長保育は18:30~19:30) |
| 問い合わせ | 03-6661-2216 info@terako-ya.jp |
どんな園が子どもに合う?取り組みから見る相性チェックポイント
「取り組みが魅力的な保育園」でも、すべての子どもにとって最適とは限りません。
大切なのは、園の特色や取り組みが自分の子どもや家庭の価値観と合っているかという視点です。
ここでは、保育園の取り組みを軸に相性を見極めるためのポイントを紹介します。
子どもの性格・興味との相性をチェックする
まず意識したいのは、子どもの性格や興味と園の取り組みが合っているかどうかです。
外遊びや体験活動が大好きな子であれば、自然体験やアウトドア活動が充実している園は大きな魅力になります。
一方で、じっくり制作や読書が好きな子には、アートや室内活動が豊富な園の方が安心して過ごせることもあります。
「うちの子はどんな遊びが好き?」「どんな環境だと安心して過ごせそう?」といった視点で、取り組みとの相性を考えてみましょう。
家庭の教育方針との一致を確認する
園と家庭の考え方が大きくズレていると、子どもだけでなく保護者にとっても負担になる場合があります。
たとえば、家庭では「幼児期はのびのび遊んでほしい」と考えているのに、園が学習色の強いカリキュラムを重視していると、日々の過ごし方に違和感を覚えるかもしれません。
逆に、「早めに英語やリトミックに触れさせたい」と考えている家庭にとっては、そうした取り組みを行う園が心強いパートナーになります。
パンフレットやホームページだけでなく、説明会や見学時に園長先生・保育士の言葉を聞き、「共感できるかどうか」を大切にしましょう。
見学時に確認したい質問リスト
取り組みの内容や方針だけでなく、実際の運用や子どもの反応もチェックしたいポイントです。
園見学の際には、次のような質問をしてみると、園の雰囲気が具体的にイメージしやすくなります。
- この取り組みを始めた理由や背景は何ですか?
- 子どもたちはどんな様子で参加していますか?印象的なエピソードはありますか?
- 取り組みは週にどのくらいの頻度で行っていますか?
- 子どもが苦手そうな場合、どのようにフォローしていますか?
- 家庭で意識しておくと良いことや、連携してできることはありますか?
質問への答え方や、事例を交えて話してくれるかどうかも、園の「伝える姿勢」や保護者との距離感を測るヒントになります。
取り組みの魅力だけでなく、子ども・家庭・園の三者が無理なく続けていけるかを意識して選ぶことで、「ここにしてよかった」と思える保育園に出会いやすくなります。
「この園すごい!」と思える場所で、子どもの未来を育てよう
保育園選びは、単に預ける場所を探す作業ではなく、子どもの成長を一緒に見守るパートナーを選ぶことです。
園の方針や取り組みにはそれぞれの魅力があり、どの園も子どもの可能性を広げる力を持っています。
重要なのは、「どの取り組みがうちの子に合うか」「家庭として何を大切にしたいか」を見極めることです。
ぜひ、気になる保育園を見学し、先生や園児の雰囲気を肌で感じてみてください。
あなたとお子さんにぴったりの「この園すごい!」と思える場所が、きっと見つかるはずです。