栄養士の資格は、指定された栄養士養成施設を卒業し、都道府県知事の免許を受けることで取得できます。

独学や通信講座だけでは取得できないため、大学・短大・専門学校などに通い、必要な単位や実習を修了する必要があります。

栄養士資格を調べている人の中には、通信で取れる食関連資格と混同している人も少なくありません。

ただし、就職や転職で栄養士として働きたい場合は国家資格である栄養士資格、家庭や副業で食の知識を活かしたい場合は民間資格というように、目的によって選ぶ資格は変わります。

この記事の結論
  • 栄養士資格は養成施設を卒業し、免許申請することで取得できる
  • 独学や通信講座だけでは栄養士資格は取得できない
  • 最短では2年制の栄養士養成施設で取得を目指せる
  • 就職目的なら栄養士資格、家庭や副業で活かすなら民間資格も選択肢になる

まずは、栄養士資格が自分の目的に合っているかを整理することから始めましょう。

Contents
  1. 栄養士の資格は養成施設を卒業すると取得できる
  2. 栄養士資格の取り方
  3. 栄養士資格は社会人でも取得できるが通学が必要
  4. 栄養士と管理栄養士の資格の違い
  5. 栄養士資格と食関連の民間資格は目的で選ぶ
  6. 栄養士資格を取得した後に活躍できる職場
  7. 栄養士資格を取得するメリット
  8. 栄養士資格を目指す前に知っておきたい注意点
  9. 栄養士資格に関するよくある質問
  10. 栄養士資格は取得条件と将来の働き方を確認して目指すことが大切

栄養士の資格は養成施設を卒業すると取得できる

栄養士資格は国家資格であり、指定された栄養士養成施設を卒業して免許申請することで取得を目指せます。

国家試験に合格して取得する資格ではなく、大学・短大・専門学校などで必修科目の単位や調理実習・校外実習を修了することが取得の条件です。

また、最短では2年制の短大や専門学校ルートもあり、進学先によって修業年限・学費・学べる内容や卒業後の進路が異なります。

1

高校を卒業する

高校卒業または同等以上の学力が必要

2

栄養士養成施設へ入学する

大学・短大・専門学校などで学ぶ

3

必要な単位と実習を修了する

栄養学や給食管理などを学ぶ

4

養成施設を卒業する

卒業後に免許申請へ進む

5

都道府県へ免許申請する

栄養士免許証の交付を受ける

上記のフローのように独学や通信講座だけでは取得できず、通学できる環境や卒業後の働き方まで含めて進学先を選ぶ必要があります。

都道府県知事から免許を受ける国家資格

栄養士は、都道府県知事から免許を受けて名乗る国家資格で、栄養指導や給食管理などを専門的に行う職種として法律で定められています。

厚生労働省の資料では、2023年度末時点の栄養士免許交付数は累計約118万件となっており、病院や学校、福祉施設など幅広い分野で活用されています。

資格の種類
取得方法
仕事での活用
独学
栄養士
養成施設卒業
病院・学校・福祉など
不可
民間資格
講座修了など
知識習得中心
可能

国家資格だからといって、すべて国家試験が必要というわけではなく、栄養士のように養成施設の卒業によって免許を取得する公的資格もあります。

栄養士は養成施設を卒業した後に都道府県へ免許申請する仕組みのため、まずは通学できる範囲の指定養成施設を探して学校比較から動き始めてください。

栄養士資格は大学・短大・専門学校などの卒業が必要

栄養士資格を取得するには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設で必要な単位を修めて卒業することが前提条件になります。

対象となる学校には大学・短期大学・専門学校の3つの形態があり、修業年限や学べる内容に違いがあります。

近年は短大が減少している一方で、管理栄養士養成課程を含む4年制大学が増えている傾向があり、学校選びは将来のキャリア設計と合わせて検討する必要があります。

学校種別
修業年限
特徴
向いている人
管理栄養士
専門学校
2年
実践中心
早く働きたい人
一部対応
短期大学
2〜3年
基礎と実習を両立
学びと就職を両立したい人
一部対応
大学
4年
研究や応用も学べる
管理栄養士も視野に入れている人
対応校が多い

学校によって取得できる資格や実習内容、卒業後の就職実績が異なるため、学費だけで決めず、通学範囲・カリキュラム・サポート体制まで見たうえで候補校を絞ります。

将来的に管理栄養士を目指す可能性がある場合は、管理栄養士養成課程に対応しているかも事前に確認する必要があります。

独学や通信講座だけでは栄養士資格は取得できない

栄養士資格は、独学や通信講座だけでは取得できず、文部科学大臣・厚生労働大臣が指定した養成施設で必要な単位と実習を修了することが必須条件になっています。

栄養士養成施設指導要領では、通信教育や夜間部による栄養士養成は認められておらず、通学しながら単位と実習を修了する必要があると明確に規定されています。

そのため、通信講座で取得できる食育資格や健康食関連の民間資格とは制度上まったく別物だと理解しておきましょう。

学習方法
栄養士資格
取得できる資格例
向いている人
独学
不可
食育系民間資格
知識を学びたい人
通信講座
不可
健康食・薬膳資格など
家庭や副業で活かしたい人
通学
可能
栄養士資格
就職や転職に活かしたい人

通信講座自体が無意味というわけではなく、食育や健康管理の知識を家庭や副業に活かしたい場合は、民間資格の通信講座が合うケースもあります。

注意点

栄養士資格を取得したい場合は、通学できる養成施設を選ぶ必要があります。

最短で2年制の栄養士養成施設で取得を目指せる

栄養士養成施設の修業年限は2年以上と定められており、全国の養成施設一覧を見ても多くの専門学校や短期大学が最短2年制の課程を採用しています。

早く資格を取りたい人や社会人から目指す人の選択肢になりますが、短期間で資格取得を優先するのか、将来的に管理栄養士まで視野に入れるのかで選ぶ学校は変わります。

修業年限
特徴
向いている人
メリット
注意点
2年制
最短ルート
早く働きたい人
期間が短い
授業密度が高い
3年制
実習時間を確保しやすい
学習に余裕を持ちたい人
基礎から学びやすい
卒業まで時間がかかる
4年制
管理栄養士も視野
長期的に学びたい人
進路の幅が広い
学費負担が増えやすい

社会人の場合は、昼間の通学時間や校外実習への参加が現実的に可能か、勤務先との調整も含めて入学前に確認しておきましょう。

期間だけで学校を決めるのではなく、学費・通学範囲・実習内容・卒業後の就職先や管理栄養士へのステップアップまで考えると学校を選ぶ基準が見えてきます。

栄養士資格の取り方

栄養士資格を取る流れは、指定養成施設への入学、単位・実習の修了、卒業後の免許申請の3段階で考えると理解できます。

試験に合格して取得する資格ではないため、最初に確認すべきなのは、進学先が栄養士養成施設として指定されているかどうかです。

また、卒業後すぐに免許が届くわけではなく、各都道府県へ卒業証明書や履修証明書をそろえて申請する手続きが必要になるため、卒業前から準備を始めてください。

1

栄養士養成施設へ入学

進学先が栄養士養成施設として指定されているか確認する

2

単位・実習を修了

必要な科目と校外実習を含めて修めていく

3

卒業

免許申請に必要な卒業証明書や履修証明書を準備する

4

都道府県へ申請

申請先や必要書類を確認して提出する

5

栄養士免許を取得

栄養士名簿に登録され、免許証が交付される

栄養士資格は、国家試験は不要ですが、栄養士養成施設に通えば何もしなくても免許がもらえるわけではありません。

単位や実習を修了して卒業し、さらに免許申請まで進める必要があるため、学校選びの段階で卒業後の手続きも確認しておきましょう。

高校卒業後に栄養士養成施設へ入学する

栄養士資格を取る最初の手順は、高校卒業後に栄養士養成施設へ入学することです。

入学は原則として、高校を卒業した人、または同等以上の学力があると認められた人で、栄養士養成施設には大学、短大、専門学校などがあります。

管理栄養士養成大学卒業生に関する調査では、養成施設への志望時期は高校3年生が39.9%と多く、進路選択の段階で調べ始める人が多いことがわかっています。

学校種別
修業年限
特徴
向いている人
注意点
大学
4年
幅広く学べる
管理栄養士も視野に入れたい人
学費と通学期間を確認する
短大
2〜3年
短期間で基礎を学べる
早めに就職したい人
募集校や通学範囲を確認する
専門学校
2年が中心
実務に近い内容を学びやすい
現場で早く働きたい人
指定養成施設か確認する

栄養学を学べる学校でも、文部科学大臣・厚生労働大臣から栄養士養成施設として指定されていない場合は、卒業しても栄養士資格の取得にはつながりません。

社会人や主婦から目指す場合も、学校名だけで判断せず、まずは入学条件、授業時間、通学できる距離かどうかを確認する必要があります。

必要な単位や実習を修了して卒業する

栄養士資格は、養成施設に入学するだけでなく、必修科目の単位修得や校外実習を含む実習を修了して卒業することで、はじめて免許申請の条件を満たせます。

入学すれば自動的に資格へ進めるわけではなく、栄養学や食品学、給食管理、衛生、調理などを実習とあわせて学ぶことが必要です。

養成施設では合計50単位以上の必修科目が定められており、実験・実習だけでも14単位を修めることが義務付けられています。

学習分野
必要単位の目安
仕事での活かし方
社会生活と健康
4単位
健康支援や地域活動の基礎になる
人体の構造と機能
8単位
体の仕組みを踏まえた栄養理解に役立つ
食品と衛生
6単位
安全な食事提供や衛生管理に関わる
栄養と健康
8単位
献立作成や栄養指導の土台になる
給食の運営
4単位
学校や施設の給食管理に直結する
実験・実習
14単位
現場で必要な技術を身につける

学ぶ内容は、将来の職場で使う知識とつながっており、給食管理に関わりたい人は、給食の運営や校外実習の内容を事前に確認しておくと、卒業後の働き方をイメージできます。

なお、カリキュラムや実習先は学校ごとに異なるため、資料請求や学校説明会で必修科目の構成・校外実習先・卒業後の就職実績まで見ておくと判断材料がそろいます。

卒業後に申請して栄養士免許を取得する

栄養士養成施設を卒業した後は、都道府県へ申請し、栄養士名簿へ登録されたうえで、都道府県知事から栄養士免許証が交付される流れです。

卒業によって申請の条件を満たせますが、手続きをしなくても免許証が届くわけではないため、申請手続きを自分で進める必要があります。

1

養成施設を卒業する

課程を修了し、卒業証明書や履修証明書の発行を受ける

2

必要書類をそろえる

自治体ごとの申請書類を確認し、提出前に不足がないか見直す

3

都道府県へ申請する

申請先と手数料を調べたうえで、申請書類を提出する

4

免許証が交付される

栄養士名簿に登録され、栄養士免許証の交付を受ける

5

栄養士求人へ応募する

取得した免許を使い、栄養士資格が必要な求人へ応募する

申請に必要な書類や手数料は、申請先の自治体や年度によって異なる場合があるため、卒業前に各都道府県の保健福祉部門の公式情報の確認が欠かせません。

就職先によっては入職前に栄養士免許証の提出や登録番号の提示を求められることもあるため、卒業後すぐに申請手続きを進めておきましょう。

栄養士資格は国家試験を受けずに取得できる

栄養士資格の取得条件は国家試験の合格ではなく、栄養士養成施設で規定の単位や実習を修了して卒業することです。

しかし、管理栄養士は栄養士免許を取得したうえで国家試験への合格まで必要なため、栄養士と比べて取得までの期間や学習負担、難易度に差があります。

資格名
取得条件
国家試験
免許発行元
向いている人
栄養士
養成施設を卒業
なし
都道府県知事
早く食の仕事に就きたい人
管理栄養士
受験資格を満たして国家試験に合格
あり
厚生労働大臣
専門性を高めたい人

栄養士免許交付者は、試験合格ではなく養成施設卒業による取得が中心ですが、国家試験がないから簡単という意味ではありません。

通学、必修科目の単位修得、校外実習、卒業まで続ける必要があるため、学校生活を継続できる時間と学費・教材費・実習費などの総額費用を入学前に計算してください。

注意点

卒業後に都道府県へ申請しないと栄養士免許は交付されないため、提出書類と窓口を在学中に確認しておきましょう。

栄養士資格は社会人でも取得できるが通学が必要

栄養士資格は社会人や主婦からでも目指せますが、独学や通信ではなく栄養士養成施設への通学が必要です。

高校卒業後すぐに進学しなかった人でも、大学・短大・専門学校へ入学して必要な単位や実習を修了すれば、栄養士資格の取得を目指せます。

一方で、栄養士養成課程は昼間通学が基本になるため、仕事や家事、育児と両立できるかは事前に整理しておきたいポイントです。

特に社会人から目指す場合は、通学時間・学費・実習期間・卒業後の働き方を並べると、今の生活で継続できる条件か見極められます。

社会人からでも養成施設に入学すれば栄養士を目指せる

社会人からでも、指定された栄養士養成施設に入学し、必要な単位と実習を修了して卒業すれば、栄養士資格の取得を目指せます。

養成施設の入学資格には、年齢や経歴による一律の制限は基本的になく、社会人入学に対応している学校では受験科目や面接で社会人経験を考慮するケースもみられます。

有資格者への疫学調査でも、20代から60代まで幅広い年齢層が栄養士・管理栄養士として就業している実態が示されており、年齢を理由に諦める必要はありません。

1

情報収集

栄養士資格の取得方法や、通学が必要な理由を確認する

2

学校比較

通える範囲、授業時間、学費、社会人入学の有無を比べる

3

入学

募集要項を確認し、出願・入試・入学手続きを進める

4

単位・実習修了

授業や実習を履修し、卒業に必要な単位を修得する

5

卒業

養成施設を卒業し、免許申請に必要な証明書を受け取る

6

免許申請

都道府県へ申請し、栄養士名簿への登録と免許証の交付を受ける

「専門実践教育訓練給付金」は、中長期的なキャリア形成を目的として厚生労働大臣指定の講座を受講した際の支援制度で、対象講座には栄養士養成課程も指定されています。

学校選びの段階で、入学要項に書かれた募集対象と給付制度の対象講座であるかをセットで確認し、年間の通学計画と費用負担をシミュレーションしておきましょう。

働きながら取得する場合は昼間通学できるかが重要

働きながら栄養士資格を取りたい人にとって、昼間に開講される養成施設に出席し続けられるかが判断材料になるため、勤務調整や転職計画とセットで考えましょう。

栄養士養成施設指導要領では、夜間部や通信教育による養成が認められていないため、原則として平日昼間に開講される課程へ通学する必要があります。

厚生労働省の在職者が専門実践教育訓練を受講した際の調査では、通学講座の約72%が昼間のみの開講形態となっており、フルタイム勤務を続けながら通うのは難しい場合があることが分かります。

確認項目
確認しておきたいポイント
勤務形態
昼間の授業に出られるよう、勤務時間を変更できるか確認する
実習期間
校外実習中に有給や休職を取れるか職場に確認する
収入面
通学中の収入減と学費・生活費の見通しを確認する
家族の協力
通学・実習中の家事や育児を分担できる体制を確認する

フルタイムの固定勤務を続けたまま2年制の養成施設に通うのが難しい場合が多く、退職・転職・時短勤務など働き方の変更を並行して検討する必要があります。

転職や時短勤務への切り替え、貯金を使って数年間学業に専念するなど、働き方の見直しまでセットで検討しましょう。

主婦が目指す場合は学費と通学時間を事前に確認する

主婦から栄養士を目指す場合は、家族の協力体制と2〜4年間にわたり通い続けられる準備が整っているかを最初に整理しましょう。

文部科学省の私立学校の調査では、初年度納付金の平均額は大学が約136.5万円、短期大学が約113万円となっており、入学金・授業料・教材費・実習費まで含めた総額の確認が不可欠です。

同調査にて家政系の学部・学科に限定した場合、大学の授業料平均は約83.6万円で、学校種別や通学距離によって負担額に幅があるため、家族の協力や生活費への影響まで考慮しましょう。

確認項目
確認内容
初年度納付金
学校種別と家政系などの学科で平均額を比較する
教育訓練給付金
雇用保険の被保険者なら受講経費の最大80%が支給される
自立支援給付金
母子・父子家庭向けに最大240万円の支援制度がある
家庭との両立
通学時間・実習期間と家事育児のスケジュールを照らす

学費そのものに目が向きがちですが、教材費・実習費・交通費などの付随費用も合計しておくと、家計への影響を事前に把握できます。

主婦だから難しいと決めつけず、世帯状況に応じて使える給付制度・助成金もあるため、最寄りのハローワークや自治体の福祉窓口で対象条件を相談してみましょう。

通信で学びたい人は食関連の民間資格も選択肢になる

通信で学びたい人は栄養士資格を取得できませんが、食関連の民間資格であれば学べる講座があります。

栄養士免許は法令と指導要領で通信教育による取得が認められていないため、通学が難しい場合は、食関連の民間資格など別の選択肢も検討してください。

食育・健康食・スポーツ栄養・薬膳などの民間資格は、通信制やe-ラーニングだけで完結する講座も多く、家庭や副業で活かしたい人に向いています。

ポイント

食の知識を家庭や副業で活かしたい人は、通信で学べる食関連の民間資格も視野に入れて、学習期間・費用・修了後の活用場面まで検討すると選択肢を絞れます。

栄養士と管理栄養士の資格の違い

栄養士と管理栄養士は、取得方法が異なり、給食管理が中心か、専門的な栄養管理まで担うかで業務範囲も分かれる別々の資格です。

栄養士は指定の養成施設を卒業すれば取得を目指せますが、管理栄養士は栄養士免許を取得したうえで国家試験に合格する必要があり、取得までの期間や難易度に差があります。

仕事内容も、栄養士は給食管理や健康な人への栄養指導が中心ですが、管理栄養士は傷病者や高齢者への専門的な栄養管理まで担当します。

栄養士は養成施設の卒業で取得できる

栄養士は、指定された栄養士養成施設を卒業すれば取得を目指せる国家資格です。

大学・短大・専門学校のいずれかの指定養成施設を卒業し、勤務予定地の都道府県知事から免許の交付を受けることで、正式に栄養士として働くことを目指せます。

2023年度の厚生労働省の統計では、栄養士免許の交付数は年間16,344件で、すべてが養成施設の卒業による取得でした。

栄養士の取得条件

卒業証明書や履修証明書をそろえて卒業後に都道府県へ免許申請を行うことで、栄養士名簿に登録されて免許が交付されます。

管理栄養士は国家試験への合格が必要

管理栄養士を目指すルート

管理栄養士は、厚生労働大臣が実施する管理栄養士国家試験への合格が免許取得に必須であり、受験するためには別途定められた受験資格を満たす必要があります。

管理栄養士養成施設を卒業して新卒で受験する方法と、栄養士養成施設を卒業後に規定年数の実務経験を積んでから受験する方法があり、学歴や実務経験に応じてルートが変わります。

2025年3月に実施した第39回管理栄養士国家試験では、受験者数16,169名に対し合格者は7,778名で、合格率は48.1%でした。

管理栄養士の受験資格に必要な実務経験年数は学校の修業年限によって異なり、2年制なら3年、3年制なら2年、4年制なら1年の実務経験が目安となります。

注意点

栄養士と管理栄養士は免許の発行元が異なり、管理栄養士の免許は厚生労働大臣から交付されるため、混同しないよう注意が必要です。

栄養士は主に給食管理や健康な人への栄養指導を担う

栄養士の中心業務は、健康な人の食生活を継続的に支え、現場ごとに必要とされる栄養面の課題を解決していくことです。

学校・保育園・福祉施設などで、利用者に向けた食事の提供や食育活動を担当する場面が多く、衛生管理や調理スタッフとの連携も含めて業務範囲が広がります。

実際に、厚生労働省の調査では、栄養士の職域は食育・教育の現場に多く、全体の77.6%が健康の保持増進を目的とした業務に従事していると回答しています。

仕事内容
内容
給食管理
献立作成・食材発注・調理現場の運営
栄養指導
学校や地域での食育・健康支援
衛生管理
食材の取り扱い・調理場の安全確保
食育活動
子どもや利用者向けの食の学習支援
多職種連携
調理スタッフや教員との連携業務

栄養士は、利用者の日常的な食事を支える役割として、学校給食での献立管理や保育園でのアレルギー対応、高齢者施設での栄養バランス調整など、安全な食環境づくりを支える仕事です。

勤務先ごとに求められる役割は異なり、保育施設では成長段階に合わせた食事配慮、福祉分野では利用者の生活状況に応じたサポートなど、現場ごとの対応力が求められます。

管理栄養士は病気の人や高齢者への専門的な栄養管理も担う

管理栄養士は、傷病者や高齢者、嚥下機能が低下した人など、栄養管理に専門的な配慮が必要な人を支援できる資格です。

治療食の提供、退院後の食事指導、回復期の栄養補給など、医師の指示に基づいて個別の状態に合わせた栄養支援を求められる場面があります。

専門性の高さから、ほとんどの病院や介護老人保健施設で管理栄養士が配置されており、病院における就業人数は約40,000人に達しています。

業務範囲
栄養士
管理栄養士
給食管理
中心業務
担当する
健康な人への指導
中心業務
担当する
傷病者の栄養管理
対応範囲が限られる
中心業務
多職種連携
給食現場で行う
医療チームの一員として行う

管理栄養士は診断や処方など医療行為を行わず、医師の指示のもとで栄養面から治療や回復を支援する立場であるため、医療職との役割分担を理解しておく必要があります。

管理栄養士は病院でしか働けないという意味ではなく、行政の保健福祉部門や企業の健康経営部門、研究機関、学校など活躍できる職場の選択肢は年々広がっています。

将来の働き方を広げたいなら管理栄養士まで視野に入れる

管理栄養士と栄養士の資格選びフローチャート

将来的に医療・福祉・行政分野まで視野を広げたい人は、栄養士資格だけでなく、管理栄養士ルートも含めて学校選びを進めましょう。

管理栄養士は国家試験が必要になりますが、病院や行政、研究・教育分野など、専門性を発揮できる職場へ進む選択肢が広がるためです。

実際に、管理栄養士養成大学の卒業生の進路調査では、管理栄養士・栄養士としての就職率は1995年度の47.2%から2020年度には66.7%まで増加しており、就職先も病院・行政・研究・教育など専門職領域へ広がっています。

早く就職したい人や、まず現場経験を積みたい人にとっては、最短2〜3年で取得を目指せる栄養士養成施設から進学し、働きながら管理栄養士を目指すルートも選択肢になります。

注意点

管理栄養士が必ず有利になるとは限らないため、将来働きたい分野や高めたい専門性に合わせて、栄養士で働くか管理栄養士まで進むかを判断します。

栄養士資格と食関連の民間資格は目的で選ぶ

栄養士資格と食関連の民間資格は、就職に使うのか、家庭や副業で知識を活かすのかで選び方が変わります。

資格選びの段階で目的を整理しておかないと、学習にかける年数や費用が想定とずれてしまう場合があるためです。

就職を見据える場合は応募条件、生活に役立てる場合は活動目的を先に分けると、選ぶ資格の方向性が明確になります。

比較項目
栄養士資格
食関連の民間資格
向いている目的
取得方法
資格区分
国家資格
民間資格
就職・転職/知識習得
養成施設・講座など
通学・通信
通学が必要
通信対応が多い
学び方を比較できる
通学・通信・在宅学習
就職での活用
求人条件になる場合がある
知識証明として使うことが多い
仕事内容で変わる
職場ごとに確認

栄養士資格は、栄養士法に基づく名称独占の国家資格として位置づけられており、医療や給食分野の配置義務がある現場で力を発揮できる資格です。

民間資格は、栄養士として働く資格ではありませんが、家庭や副業で食の知識を整理したい人には学びやすい内容になります。

就職目的なら国家資格である栄養士資格、知識習得や家庭・副業での活用が目的なら民間資格も含めて、取得方法・期間・費用・活用範囲を比較すると選択肢を絞れるでしょう。

就職や転職に活かすなら栄養士資格が向いている

就職や転職を目的にする場合は、求人条件として国家資格が求められる場面が多いため、栄養士養成施設で取得を目指す栄養士資格が向いています。

栄養士は名称独占資格として法律で位置づけられており、資格を持たない人は仕事として栄養士と名乗ったり、栄養士の肩書きで業務を行うことはできません。

特に、病院や保育園、学校給食、福祉施設、社員食堂などでは、求人条件として栄養士資格が必須条件または歓迎条件になることがあります。

目指す仕事
必要になりやすい資格
民間資格のみで足りるか
おすすめルート
保育園
栄養士資格
難しい場合が多い
養成施設へ進学
病院
栄養士・管理栄養士
難しい場合が多い
国家資格取得を優先
食品関連企業
仕事内容による
可能な場合もある
求人条件を確認
料理教室
必須ではない場合もある
可能
目的に応じて選ぶ

厚生労働省によると、国内には約5万件の給食施設があり、そのうち約75%に管理栄養士・栄養士が配置されているという統計があり、公的資格として需要の高さがうかがえます。

ただし、資格を取得すれば必ず就職できるという意味ではなく、働きたい分野や地域によって求人条件は異なるため、学校選びとあわせて求人内容の確認も必須です。

家庭や副業で活かすなら民間資格も選択肢になる

家庭の食事管理や食育、発信活動のような副業などに活かしたい場合は、通信講座のような民間資格も候補の一つです。

ただし、民間資格は栄養士として働くための国家資格ではなく職場の応募条件も満たせないため、就職目的なのか知識習得目的なのかを分けて考える必要があります。

特定の施設で働く予定がない場合は、通信講座や在宅学習で受講できる民間資格の方が、学習スケジュールを調整しやすく、費用負担を抑えられる場合があります。

民間資格が向いている目的
  • 家庭の食生活を整えたい
  • 子どもの食育について学びたい
  • 料理教室やレシピ発信に活かしたい
  • SNSやブログで食の知識を発信したい
  • 趣味や自己学習として健康知識を深めたい

副業や発信活動で役立つ可能性はありますが、資格を取得しただけでは収入につながるとは限らないため、何にどう活かしたいかまで整理しておく必要があります。

講座を選ぶ前に、学びたい内容や学習期間、取得後にどの場面で知識を使いたいのかまで確認しておくと、資格選びのミスマッチを避けられます。

注意点

民間資格を取得しても、栄養士を名乗って働くことはできないため、就職活動で「栄養士」として応募する場合は国家資格の取得を優先してください。

食育や健康食の知識を学びたいだけなら通信講座でも学べる

通信講座で学ぶ前のチェックリスト

食育や健康食について学びたい場合は、通信講座を活用しながら自分のペースで知識を深める方法もあります。

厚生労働省によると、一般教育訓練給付金の対象には、eラーニングのみを含む通信制の講座が918講座指定されており、場所や時間を選ばず学べる講座もあります。

ただし、通信講座で取得できる民間資格と国家資格の栄養士は別物であり、通信講座だけで栄養士資格そのものを取得することはできません。

分野
学べる内容
活かしやすい場面
食育
子どもの食習慣や食事マナー
家庭・教育活動・子育て
健康食
栄養バランスや健康管理の基礎
日々の食生活・健康維持
幼児食
成長段階に合わせた食事づくり
育児中の食事管理・家庭料理
介護食
高齢者向けの食事や食べやすい工夫
介護・家族支援・高齢者ケア
スポーツ栄養
運動時の栄養管理や食事の考え方
部活動・運動習慣・健康づくり
薬膳・美容食
食材と体調管理、美容を意識した食事
美容習慣・生活改善・自己学習

学習内容や受講期間、サポート体制、修了後の活かし方は講座ごとに違うため、就職目的か家庭・副業での活用かを分けてから講座を選ぶとミスマッチを防げます。

医療・福祉・学校給食で働きたいなら栄養士資格を優先する

医療や福祉、学校給食の分野で働きたい場合は、配置基準や採用条件で国家資格が前提となることが多いため、栄養士資格の取得を優先すべきです。

健康増進法や学校給食法など個別の法令で配置が定められているケースもあり、応募前に求人票だけでなく施設側の制度背景まで把握しておくと判断材料が増えます。

給食管理や栄養指導に関わる仕事では、国家資格の有無が応募条件や歓迎条件に明記されている場合もあり、求人票の内容を見直してみましょう。

職場
必要になりやすい資格
確認したいポイント
病院
栄養士・管理栄養士
求人条件と実務内容
福祉施設
栄養士
給食管理の有無
学校給食
栄養士・管理栄養士
自治体ごとの採用条件
保育園
栄養士
調理業務との兼務
社員食堂
栄養士が歓迎される場合がある
献立作成の有無
食品関連企業
仕事内容による
商品開発や品質管理

職場によっては、献立作成を中心に担当する場合もあれば、調理業務や多職種とのやり取りまで含めて担当範囲が広がる場合もあります。

特に医療や行政分野を視野に入れている場合は、栄養士資格だけで応募できるのか、管理栄養士資格まで必要になるのかを早めに比較しておくと進路を迷わず選択できます。

栄養士資格を取得した後に活躍できる職場

栄養士の資格を活かした職場選びのチェックリスト

栄養士資格を取得すると、病院や学校だけでなく、福祉施設、企業、地域活動など幅広い分野で食に関わる仕事を目指せます。

しかし、職場によって関わる相手や働き方、求められる役割は大きく異なるため、興味のある分野や支えたい対象を決めてから求人を比較してください。

給与水準や勤務時間、求められる経験年数も分野ごとに違うため、自分の優先順位を決めてから求人を比較する流れが現実的です。

職場
主な対象
仕事内容
向いている人
確認点
病院・診療所
患者
食事管理・献立作成
医療現場に関心がある人
管理栄養士の要否
学校・保育園
子ども・学生
給食管理・食育
子どもの食に関わりたい人
アレルギー対応
福祉施設
高齢者・利用者
食事支援・栄養管理
生活支援に関心がある人
食事形態の対応
社員食堂・企業
従業員・消費者
健康支援・商品開発
企業で働きたい人
資格が必須か歓迎か
スポーツ・地域活動
競技者・地域住民
食事支援・健康づくり
活動の幅を広げたい人
雇用か活動か

栄養士資格を活かせる職場は幅広いですが、実際の仕事内容は施設の種類・規模・運営方針によって変わる点を把握してください。

求人を見るときは、資格だけで応募できるのか、給食管理や衛生管理の実務経験、管理栄養士資格まで求められるのかなど、担当業務や応募条件まで含めて読み取る必要があります。

病院や診療所では患者に合わせた栄養管理を行う

病院や診療所では、入院・外来患者の病態や治療段階に合わせた食事管理や献立作成に関わり、医療チームの一員として食事面から療養を支える役割を担います。

医師や看護師、調理スタッフなどと連携しながら、食事面から療養生活を支え、食事提供や衛生管理など現場業務にも関わります。

2022年の厚生労働白書によると、病院で働く管理栄養士・栄養士は合計36,661人で、そのうち栄養士は14,924人でした。

業務
内容
関わる相手
確認点
入院患者の食事管理
患者の状態に合わせた食事を整える
患者・看護師
病院ごとの業務範囲
献立作成
病態や食事基準に沿って献立を考える
調理スタッフ
管理栄養士との分担
栄養指導の補助
食生活の相談や説明に関わる
患者・家族
担当できる範囲
多職種連携
医師・看護師と情報を共有する
医療職
連携体制

病院によっては、外来患者への食生活アドバイスや、退院後の食事を見据えた説明、栄養指導の補助に関わる場合もあり、職場ごとに業務範囲が異なります。

医療行為をする仕事ではないため、求人票では栄養士が担う業務と、管理栄養士が担う業務の線引きを読み取る必要があります。

学校や保育園では給食管理や食育に関わる

学校や保育園で栄養士が任される仕事は、子どもの発達段階を踏まえて食を通じた成長を支えることに集約されます。

小学校では2021年5月時点で99.0%、中学校では91.5%で学校給食が実施されており、学校に配置される栄養教諭の人数も年々増えています。

2023年時点では全国で6,924人の栄養教諭が配置されており、給食管理だけでなく食育活動に関わる役割も広がっています。

職場
主な業務
特徴・注意点
学校
給食管理・食育活動
児童生徒の成長を支える/自治体ごとの採用条件を確認
保育園
献立作成・調理スタッフとの連携
乳幼児の発達に合わせる/アレルギー対応体制の有無
共通業務
衛生管理・食材管理
安全な給食提供/調理スタッフとの連携が必要

学校と保育園では、同じ給食に関わる仕事でも対象年齢、献立内容などが異なるため、職場ごとに業務イメージの確認が必要です。

子どもが好きという理由だけで選ぶのではなく、アレルギー対応や衛生管理、保護者・教職員との連携の有無まで含めて考えましょう。

福祉施設では高齢者や利用者の食事を支える

福祉施設では、高齢者や利用者の咀嚼・嚥下機能、持病、生活リズムに合わせて食事を支える役割があり、家庭的な配慮と栄養管理の両立が求められます。

身体機能や生活背景がそれぞれ異なる利用者に合わせて、食事形態や提供量、味付けまで細やかに調整する必要があるためです。

2024年度末の特定給食施設数で見ると、老人福祉施設が5,130施設、介護老人保健施設が2,796施設、児童福祉施設が14,436施設存在し、大規模な職域となっています。

施設
対象
主な仕事内容
注意点
老人福祉施設
高齢者
献立作成・食事支援
食事形態への配慮
介護老人保健施設
介護やリハビリが必要な人
栄養管理・多職種連携
看護・介護職との連携
児童福祉施設
子ども
食事提供・発達に応じた食支援
年齢に応じた対応

施設によっては、利用者の体調や食事摂取量を継続的に把握し、栄養ケアマネジメントとして食事内容や食事形態を定期的に見直す業務もあります。

医療職のように診断や治療をする仕事ではないため、介護職や看護職と連携しながら食事面を支える働き方として理解してください。

社員食堂や企業では健康づくりや商品開発に関われる

栄養士資格は医療・福祉・学校だけでなく、社員食堂や食品関連企業など、民間企業でも活かせます。

特に企業分野では、利用者や従業員のニーズに合わせた食事提案や、食品サービスの改善に関わる場面もあり、食に関する専門知識を幅広く活用できます。

社員食堂や食品関連企業では、食事提供だけでなく、従業員の健康支援や食品サービスの改善など、食を通じて組織全体を支える役割を担う場合があります。

職場
主な業務
活かせる知識
確認点
社員食堂
献立作成・食事提供
栄養バランス・衛生管理
委託会社か直営か
食品メーカー
商品開発・品質管理
食品学・表示知識
資格が必須か歓迎か
給食会社
メニュー設計・現場管理
給食運営・調理現場理解
配属先の施設種類

企業系の仕事では、栄養士資格だけでなく、企画力や食品表示・食品衛生の知識、データ分析力なども評価対象になる場合があります。

求人票では、資格が必須条件なのか、商品企画や品質管理の経験が重視されるのかまで読み取り、応募前に担当業務の範囲を把握してください。

スポーツや地域活動では食事面から健康を支援できる

栄養士資格は、スポーツや地域活動において、競技者の体づくりを支えるサポートや地域住民向けの健康教室の運営など、食事面から健康づくりを支援できます。

行政栄養士として自治体の保健福祉部門で働く道もあれば、食生活改善推進員のようにボランティアベースで地域の食支援に関わる形もあり、雇用と地域活動の両面で選択肢を持てます。

実際に2025年時点の農林水産省のデータによると、行政栄養士は全国で約3,500人が自治体で勤務し、食生活改善推進員は約9万人が地域で活動していました。

スポーツ・地域分野での活動例
  • スポーツチームや競技者の食事サポート
  • 自治体での健康教室や栄養相談
  • 地域住民向けの食生活改善活動
  • 子どもや高齢者に向けた食育イベント
  • 行政や地域団体と連携した健康づくり

スポーツ分野で働きたい場合は、栄養士資格に加えて、特定競技の特性理解や実務経験、選手・チームへのサポート実績など、専門的なバックグラウンドが必要になる求人もあります。

注意点

スポーツ栄養や地域活動は、求人として雇用される形とボランティアや地域活動として関わる形で必要な資格や条件が異なります。

栄養士資格を取得するメリット

栄養士資格を取得するメリットは、食と栄養の知識を国家資格として仕事や生活に活かせることです。

栄養士は名称独占資格として法律で位置づけられており、有資格者だけが「栄養士」を名乗れるため、求人応募や名刺で肩書きとして示せます。

求人条件で資格保有者が求められる場合もあり、食に関わる分野へ進みたい人にとって、学んだ内容を形として示せる資格です。

メリット
できること
向いている人
注意点
専門職として働ける
献立作成や給食管理に関われる
食の仕事に就きたい人
実務経験も見られる
職場の選択肢が広がる
医療・福祉・学校などを目指せる
働く分野を比較したい人
求人条件は職場で異なる
キャリアアップを目指せる
管理栄養士への道につながる
専門性を高めたい人
国家試験対策が必要
生活にも活かせる
家族や地域の食を支えられる
仕事以外でも学びを使いたい人
医療的判断はできない

栄養士資格は、就職や転職などの仕事の場面だけでなく、家族の食事管理や地域の食育活動など、日常生活の中でも体系的に学んだ知識を発揮できます。

資格取得後にどの分野へ進みたいかをある程度イメージしておくと、学校選びの段階で必要なカリキュラムや実習先を意識でき、就職先も比較できるでしょう。

食と栄養の専門職として働ける

栄養士資格を取得すると、食と栄養の専門職として給食現場・教育機関・福祉施設・医療機関などで働く道が開け、応募できる求人の幅が広がります。

献立作成、給食管理、食育、栄養指導、衛生管理などに関われるため、食の知識を単なる学習ではなく専門職としての仕事にしたい人に向いています。

職場によっては、調理スタッフとの連携や事務作業まで担当範囲が広がる場合もあるため、資格取得後も現場で経験を積みながら学び続ける姿勢が欠かせません。

同じ栄養士資格でも、勤務先によって担当業務や必要なスキルが異なるため、求人票では仕事内容や配属先まで確認しておく必要があります。

医療・福祉・学校・企業など職場の選択肢が広がる

栄養士資格を取得すると、医療・福祉・学校・保育・企業・地域など、食に関わる複数の分野から自分のライフプランや働き方に合う環境を探せます。

働く分野によって、支える相手や求められる役割が変わるため、自分がどのような対象を食の面から支えたいのかを考えながら進路を選べる点も特徴です。

さまざまな職種で栄養士資格を活かせますが、同じ栄養士でも患者・子ども・高齢者・従業員など、支える対象によって業務内容や求められるスキルが変わります。

職場選びの判断マップ
  • 子どもを支えたい → 学校・保育園
  • 高齢者を支えたい → 福祉施設
  • 医療に関わりたい → 病院・診療所
  • 企業で働きたい → 社員食堂・食品会社

栄養士資格を活かした仕事の中でも、施設の種類や運営方針によって担当範囲が異なり、献立作成を中心に行う職場もあれば、調理現場との連携や衛生管理まで担当する場合もあります。

求人条件は地域や施設、運営母体によって異なるため、応募前に仕事内容・必要な資格要件・実務経験の有無を1つずつ分けて比較して、応募先を絞りましょう。

管理栄養士へのキャリアアップを目指せる

栄養士資格は、より専門性の高い管理栄養士を目指す際の土台にもなり、栄養士として実務経験を積みながら段階的にステップアップすることも可能です。

管理栄養士になるには、栄養士免許を取得したうえで養成課程の卒業または規定の実務経験という受験資格を満たし、厚生労働大臣が実施する年1回の国家試験に合格する必要があります。

1

栄養士養成施設で学ぶ

大学・短大・専門学校などで必要な単位や実習を修了する

2

栄養士免許を取得する

卒業後に都道府県へ申請し、栄養士免許の交付を受ける

3

受験資格を満たす

学校種別や養成課程によって、必要な実務経験年数や受験条件が異なる

4

管理栄養士国家試験を受ける

国家試験に合格すると、管理栄養士として免許取得を目指せる

管理栄養士まで目指すと、医療・福祉・行政・研究機関など、より専門性が求められる分野へ進める可能性があります。

一方で、管理栄養士になるには国家試験への合格が前提になるため、学校選びの段階で受験資格や実務経験年数まで把握しておくと、進学後の見通しを立てられます。

家族や地域の健康づくりにも知識を活かせる

栄養士資格で学ぶ知識は、仕事の現場だけでなく、家族の毎日の食事管理や地域の食育イベントなど、具体的に活かせる実用的な学びとして役立ちます。

日々の献立や食事バランス、子どもの食育、高齢者の食事サポートを考える際にも、栄養士資格で体系的に学ぶ知識を生活面で活かせるからです。

子どもの食育や高齢者の食事サポート、家族の生活習慣病予防など、生活に直結した場面でも栄養学の体系的な知識があると、判断軸を持って食事内容を考えられます。

栄養士の知識を生活で活かせる場面
  • 家族の食事バランスを考える
  • 子どもの食育や食習慣を支える
  • 高齢者の食べやすさに配慮する
  • 地域の健康づくり活動に参加する
  • 食事を通じた毎日の食習慣を整える

家庭や地域で活かすことだけが目的なら、食育・健康食・薬膳など食関連の民間資格でも目的を満たせる場合があり、国家資格までは必ずしも必要ありません。

就職や転職に使いたいのか、生活で活かしたいだけなのか、目的をはっきり分けて考えると、栄養士を目指すべきか民間資格で十分かが見えてきます。

注意点

体調や病気に関する判断は自己判断せず、必ず医師や管理栄養士など専門職へ相談し、栄養士資格の知識はあくまで日常の食生活を整える参考として活かしましょう。

栄養士資格を目指す前に知っておきたい注意点

栄養士資格は国家資格として仕事に活かせる強みがある一方で、取得前に確認しておきたい現実的な注意点もあります。

独学や通信だけでは取得できず、昼間の養成施設へ通う時間や学費の準備が必要となるため、進学前に生活・仕事と両立できるかまで含めて検討しておきましょう。

採用後のキャリアパスや管理栄養士へのステップアップまで含めて、自分の優先順位と合うかを早い段階で見極めておきましょう。

確認項目
主な内容
確認したいこと
判断のポイント
取得方法
通学が必要
昼間に通えるか
生活との両立
学費
授業料・教材費など
支援制度の有無
継続して通えるか
将来の働き方
栄養士として働くか
必要資格
管理栄養士の要否
資格の目的
就職か知識習得か
通学の必要性
民間資格も比較

栄養士資格は、進学して終わりではなく、卒業後にどの分野でどのように活かしたいかまで具体的に考えておく視点が、学校選びや就職活動を進めるうえで不可欠です。

進学後の生活をイメージしながら、通学時間、実習期間、卒業後の働き方まで含めて考えると、自分に合う資格か判断できます。

昼間の養成施設に通う時間と学費が必要

栄養士資格を取得するには、昼間の養成施設へ通う2〜4年間の時間と、学費を継続して確保する必要があります。

授業だけでなく、調理実習や校外実習、衛生管理に関わる実技もあるため、通常の通学以外にも実習期間の勤務・家庭との時間調整が必要になる場合があります。

通学前に確認したい費用項目
  • 入学金
  • 授業料
  • 教材費
  • 実習費
  • 交通費
  • 一人暮らしの生活費

特に校外実習の時期は、給食施設や病院など外部の現場に通うため、通常授業とは別にまとまった時間の確保や、勤務先との休暇調整が必要になる場合があります。

条件を満たせば、母子・父子家庭向けの自立支援教育訓練給付金(最大240万円)のような支援制度を利用できる場合もあるため、申し込み前に自治体や学校へ対象条件を確認しておくと安心です。

注意点

調理実習・校外実習の期間や通学時間も含めたスケジュール全体を確認し、家族や勤務先との調整時期まで決めておきましょう。

卒業後の職場によっては管理栄養士資格が求められる

栄養士資格だけで働ける職場は給食現場や保育・福祉など幅広くありますが、病院や行政、専門性が高い分野では管理栄養士資格まで求められるケースも増えてきています。

特に、病院や行政・研究機関など専門性の高い分野では、管理栄養士資格が応募条件や歓迎条件として求人票に明記されることも少なくありません。

将来的に医療・福祉・行政分野を目指したい場合は、管理栄養士養成課程の有無や国家試験対策まで含めて学校を選んでください。

職場
求められやすい資格
特徴
確認点
保育園・学校
栄養士
給食管理・食育
自治体条件
福祉施設
栄養士・管理栄養士
食事支援
実務経験の有無
病院
栄養士・管理栄養士
専門性が高い
求人ごとの条件
行政
管理栄養士
地域健康支援
採用試験

病院でも栄養士資格を活かせる求人はありますが、栄養管理計画の作成や個別栄養指導など専門性の高い業務では管理栄養士資格が前提になる場合があります。

進学前に、将来働きたい分野でどの資格が求められているかまで調べておくと、資格取得後の方向性を見据えた選択ができます。

食の知識を学びたいだけなら民間資格の方が合う場合もある

食の知識を学ぶこと自体が目的なら、必ずしも国家資格である栄養士を目指す必要はなく、目的や生活スタイルに合わせて民間資格や通信講座を選ぶことも有効です。

目的が学習意欲や日常生活への応用にとどまる場合は、通信講座や独学でも体系的に知識を深めることができます。

ですが、栄養士として就職や転職をしたい場合は、民間資格だけでは求人の応募条件を満たせないことが多く、栄養士養成施設への進学が必須になります。

目的
向いている資格
学び方
特徴
栄養士として働きたい
栄養士資格
養成施設へ通学
国家資格
家庭で活かしたい
民間資格
通信・在宅学習
学びやすい
副業や発信活動
民間資格
通信講座
目的別に選びやすい

栄養士資格は、国家資格として履歴書や求人応募で評価されたい人、医療・福祉・教育・企業などで専門職として長く働きたい人に向いている資格です。

就職や転職を目的にする場合は求人条件を確認し、知識習得が目的なら学習期間や費用も比較しながら選ぶことで、方向性を絞り込めます。

栄養士資格に関するよくある質問

栄養士資格は養成施設の卒業と免許申請という取得ルートが決まっているため、独学・通信講座での取得可否や、社会人・主婦からのチャレンジ可否などが、わかりにくい資格でもあります。

ここでは、栄養士資格を目指す前に気になる人が多い最短ルート・独学の可否・管理栄養士との難易度の違い・社会人での資格取得の可否などの疑問に絞ってQ&A形式で回答します。

栄養士になる最短ルートは?

栄養士になる最短ルートは、2年制の栄養士養成施設を卒業する方法です。

栄養士資格は国家試験への合格ではなく、指定された栄養士養成施設で必要な単位・実習を修了して卒業し、その後に都道府県へ免許申請することで取得可能です。

短大や専門学校には2年制の課程がありますが、学費や昼間の通学時間も含めて続けられるかが判断基準になります。

栄養士の資格は独学で取れますか?

栄養士資格の取得は、市販テキストや独学だけでは取得できず、指定養成施設で必要な単位と実習が必須になっています。

栄養士の養成は通信教育や夜間部だけでは認められておらず、昼間課程の養成施設で必要な課程を修了する必要があります。

独学や通信講座で学べるのは食の知識や民間資格であり、国家資格の栄養士とは別物であることも理解してください。

栄養士と管理栄養士はどちらが難しいですか?

管理栄養士の方が、栄養士免許の取得に加えて国家試験への合格まで必要であり、学習負担と取得期間の両面で取得が難しいと考えられます。

厚生労働省の資料によると、直近三年間の管理栄養士国家試験の合格率は全体で50%程度となっていました。

ただし、栄養士も簡単に取れる資格ではなく、将来どの分野で働きたいか、給与水準や昇格機会まで含めて比較すれば、どちらの資格を目指すべきかを判断できます。

栄養士になるために必要な資格はありますか?

栄養士になるために、事前の民間資格や調理師資格は必須ではありません。

基本的な流れは、高校卒業後に栄養士養成施設へ入学し、必修科目と実習を修了して卒業した後、都道府県へ免許申請する形です。

食育や調理関連の資格を取得していなくても、栄養士養成施設への進学は目指せますが、入学条件は学校ごとに異なるため、募集要項をもとに候補校を絞り込む流れになります。

社会人から栄養士になることはできますか?

社会人からでも、文部科学大臣・厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設に入学して必要な単位と実習を修了し卒業すれば、栄養士資格の取得を目指せます。

ただし、栄養士資格は昼間の通学に加え、必修科目の単位修得、調理実習、仕事や家庭との両立が必要なため、簡単に取れる資格ではありません。

専門実践教育訓練給付金の対象講座に栄養士養成課程が指定されている場合もあるため、学費や生活費とあわせて、整理しておきましょう。

栄養士資格は取得条件と将来の働き方を確認して目指すことが大切

栄養士資格と管理栄養士の選び方の最終判断表

栄養士資格は養成施設の卒業が必要であり、食と栄養を仕事や家庭・地域の健康づくりに活かしたい人に向いている国家資格です。

独学や通信講座だけで取得できる資格ではないため、進学前には通学時間や学費に加えて、卒業後にどの分野で働きたいのかまで含めて考えておく必要があります。

医療・福祉分野で専門性を高めたい場合は管理栄養士、在宅学習を優先したい場合は民間資格も比較しながら、自分に合う進路を整理しましょう。

記事のまとめ
  • 栄養士資格は養成施設を卒業して取得を目指す国家資格です
  • 独学や通信講座だけでは栄養士資格は取得できません
  • 社会人でも目指せますが、昼間通学と学費の確認が必要です
  • 就職や転職で食の専門職を目指す人に向いています
  • 家庭や副業で学ぶなら民間資格も比較対象になります

まずは、通学できる範囲の養成施設の所在地・学費・修業年限・卒業後の就職実績を比較し、自分の希望条件に合う学校を絞り込むところから動き出してみましょう。

管理栄養士ルートや食関連の民間資格も見比べると、通学すべきか、通信講座で足りるのかを判断できるようになります。

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