保育士の初任給はいくら?手取り平均・学歴別の違い・求人票の見方を解説
保育士の初任給は、額面で20万円台前半、手取りで16万〜19万円前後がひとつの目安です。
実際の初任給は、短大卒・専門卒・大卒などの学歴差に加え、東京・大阪などの地域、公立・私立といった勤務先によって変わります。
また、求人票に書かれている月給には、基本給に加えて資格手当や処遇改善手当などの各種手当、固定残業代が含まれている場合があります。
月給の総額だけを見ると、賞与計算の基準になる基本給や、固定残業代の対象時間を見落とす可能性があるため、事前によく確認してください。
この記事では、保育士の初任給と手取り、学歴差、公立・私立、地域差、求人票で確認したい給与条件まで解説します。
- 保育士の初任給と手取りの目安
- 短大卒・専門卒・大卒による初任給の違い
- 公立保育園と私立保育園の給与の見方
- 求人票で確認すべき手当・賞与・残業代
- 初任給だけでなく年収で比較するポイント
保育士求人を比較するときは、月給の総額だけでなく、基本給・各種手当・賞与・残業代・昇給まで比較してください。
保育士の初任給は額面20万円台前半が目安
保育士の初任給は、額面で20万円台前半を目安に考えると比較できます。
ただし、額面の金額から社会保険料や税金が差し引かれるため、実際に振り込まれる金額は額面給与より少なくなります。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」は、保育士全体の賃金水準を確認する資料として参考にでき、20〜24歳の女性保育士の現金給与額は月額18.5万円となっていました。
ただし、統計の平均額は新卒の初任給だけを示すものではないため、実際の求人票と分けて見る必要があります。
地域や施設形態、手当の内容によって条件には差があるため、月給の総額だけでなく、基本給・賞与・固定残業代の有無まで求人ごとに比較してください。
また、賞与は基本給をもとに計算される場合があるため、月給だけでなく年収まで含めて確認してください。
手取りは16万〜19万円前後になることが多い
保育士の初任給が額面20万円台前半の場合、手取りは16万〜19万円前後になることが多いです。
手取りとは、額面給与から健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが差し引かれたあと、実際に口座へ振り込まれる金額です。
たとえば、求人票に月給22万円と書かれていても、すべてを生活費に使えるわけではなく、控除後の金額で家賃、食費、交通費、通信費などを賄う必要があります。
給与明細の控除欄を見ると、額面と手取りの差を把握できます。
また、手取り額は、扶養状況や地域、住民税の有無によって変わるため、家賃や通勤費まで含めて確認してください。
額面と手取りでは社会保険料や税金の分だけ差が出る
求人票に書かれている月給は、基本的に控除前の額面給与として見ます。
正社員の場合、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが差し引かれるため、求人票に書かれた月給と、実際に振り込まれる金額には差が出ます。
税金や社会保険料の計算は個人差があるため、細かい金額まで求人票だけで判断するのは難しい場合があります。
必要に応じて、内定前後に給与明細の見本や控除項目を確認しておくと、入職後の認識の違いを減らせます。
初任給は地域・施設形態・手当の有無で変わる
保育士の初任給は全国一律ではなく、地域、施設形態、手当の有無によって変わります。
都市部では家賃や生活費が高い分、月給や住宅手当が高めに設定される求人もあるためです。
実際に、こども家庭庁の2025年度の公定価格では、私立保育所に支払われる保育士の人件費(年額)が全国平均で466万円に対して、最高で521万円と地域ごとに差がありました。
都市部だから必ず有利、地方だから必ず不利とは言い切れません。
家賃補助や自治体の支援制度がある地域では、額面以上に生活コストを抑えられる場合もあります。
保育士の初任給を学歴別に比較
保育士の初任給は、短大卒・専門卒・大卒などの学歴によって差が出ることがあります。
特に新卒採用では、求人票に「短大・専門卒」「四大卒」のように分けて月給が記載されていることがあります。
大卒のほうが基本給をやや高く設定している園もありますが、学歴だけで収入差が決まるわけではありません。
保育士の初任給を見るときも、学歴別の月給だけでなく、手当・賞与・昇給制度まで含めて確認してください。
また、学歴別の給与欄がない求人では、応募前や面接時に新卒の給与モデルを確認しておくと、入職後の認識違いを避けられます。
短大卒・専門卒の初任給は大卒より低めになる傾向がある
短大卒・専門卒の初任給は、大卒より基本給が低めに設定される求人があります。
新卒採用では、最終学歴ごとに給与テーブルを分けている園や法人があるためです。
総務省のデータによると、地方公務員の初任給基準(一般行政職)では、大学卒が201,981円、高校卒等が170,535円と学歴で基準額に差が設けられています。
保育業界でも同様に、修学年数の長い大卒よりも、早く現場に出る短大・専門卒の初任給がやや低く設定される傾向があります。
短大卒・専門卒では、初任給が低く見える求人もありますが、資格手当や処遇改善手当が同額で支給される園では、月給差が小さくなります。
早く現場経験を積める点も含め、1年目の月給だけでなく3年目・5年目の給与モデルまで確認してください。
大卒保育士は初任給がやや高く設定される場合がある
大卒保育士は、短大卒・専門卒より初任給がやや高めに設定される求人があります。
給与テーブルを学歴で分けている園では、四年制大学卒の基本給を高くしている場合もあるためです。
ただし、給与の決め方は園や法人によって異なるため、大卒なら必ず初任給が高いとは限りません。
固定残業代や住宅手当込みで月給が高く見える求人では、賞与や昇給に反映される金額が想定より小さい場合があります。
学歴差だけでなく、入職後の研修制度やリーダー職への道筋まで含めて入職後に年収がどう伸びるかで比較してみてください。
学歴よりも手当・賞与・昇給制度で年収差が出ることもある
保育士の年収は、学歴による基本給差よりも、手当・賞与・昇給制度で差が出る場合があります。
初任給で数千円の差があっても、毎月の手当や年2回の賞与が積み重なると、年間では学歴差を上回る金額になることがあるためです。
また、処遇改善等加算には、副主任保育士等や職務分野別リーダー等を対象とした賃金改善の仕組みがあります。
ただし、対象者や配分方法は園や法人によって異なるため、求人票では手当の有無だけでなく、支給条件や役職登用の基準まで見ておく必要があります。
たとえ、月給が同じでも、住宅手当や処遇改善手当の条件によって、年間の受取額に差が出る場合があります。
また、研修制度や役職登用の仕組みがある園では、経験を積んだ後の昇給や役職手当も年収に影響するため、長期的な視点で条件を比較してください。
保育士の初任給は公立と私立でどう違う?
保育士の初任給は、公立保育園と私立保育園で給与額の設定が異なります。
公立保育園で働く保育士は、自治体の給与規定に沿って初任給や昇給が決まるのが一般的です。
一方、私立保育園は園や法人ごとに給与体系が異なり、基本給・手当・賞与に差が出ます。
公立保育園は給与制度が明確な傾向がある一方で、採用試験があり、希望する自治体や園への配属が約束されているわけではありません。
私立保育園は選択肢が多い分、求人ごとの条件差を丁寧に見る必要があります。
安定性を重視するなら公立、園の方針や勤務地、働き方の選択肢を重視するなら私立も含めて比較してください。
公務員保育士は初任給より安定した昇給や賞与が魅力
公務員保育士の魅力は、入職時の金額よりも、毎年の昇給と賞与が制度として保障されている点です。
公立保育園で働く保育士は、自治体職員として採用されるため、給与は自治体の給与表に基づいて決まります。
こども家庭庁の経営実態調査では、公立保育所の常勤保育士の平均給与月額(賞与込み)は36.3万円、平均経験年数は10.6年と高い水準でした。
公務員保育士は給与制度が明確な一方で、採用試験や配属、異動の条件も確認しておきたい項目です。
応募する際に勤務地を絞りすぎると応募できる枠が限られるため、近隣自治体の募集時期も見ておくと選択肢を広げられます。
私立保育園は園や法人によって初任給に差がある
同じ私立保育園でも、運営する法人の方針によって初任給や手当の内容に差が出る場合があります。
私立保育園は、社会福祉法人、株式会社、学校法人など運営元がさまざまで、給与体系や手当の考え方も統一されていません。
基本給を高めに設定している園もあれば、処遇改善手当や住宅手当を含めて月給を構成している園もあります。
認可外・企業内・院内保育園は勤務条件もあわせて確認する
認可外・企業内・院内保育園では、初任給だけでなく勤務時間やシフト条件まで含めて比較する必要があります。
認可外保育園は、施設ごとに運営方針や給与体系が異なるためです。
たとえば、企業内保育園は企業カレンダーに合わせて運営される場合があり、院内保育園では早朝・夜勤対応が発生するケースもあります。
また、認可外保育園は施設ごとに運営方針や人員体制に差があるため、給与額だけでなく、日々の業務負担や働く時間帯まで見ておきたいところです。
保育士の初任給は東京など地域によって差がある
保育士の初任給は全国一律ではなく、東京などの都市部と地方で差が出る場合があります。
地域によって家賃や生活費、人材確保の状況が異なるため、基本給や地域手当、住宅補助の設定に違いが出るからです。
地域差を見るときは、月給だけでなく、家賃・通勤費・自治体補助まで並べると判断軸が明確になります。
都市部は月給が高く見えやすい一方で、家賃や生活費も上がりやすい傾向があります。
反対に、地方は初任給が控えめでも、通勤方法や住まい方によって手元に残る金額が変わります。
勤務地を選ぶときは、給与額だけでなく手取りから生活費を引いた後にいくら残るかまで考えてください。
都市部は基本給や手当が高めに設定される
人材確保の競争が激しい東京や大阪などでは、保育士の給与水準が高めに提示される傾向があります。
実際に、賃金構造基本統計調査に基づく都道府県別の保育士年収では、東京都の平均年収は約368万円と全国平均を上回っていました。
引用:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」物価や家賃が高い都市部では、それを補うために基本給や地域手当が高く設定され、地方と比較すると初任給や年収が高くなりやすいと分かります。
ただし、都市部の求人は、手当込みで月給が高く表示されている場合があり、地域手当や家賃補助は、支給対象や上限額も確認すべき内容です。
地方は初任給が低めでも生活費を含めて判断する
地方の保育士求人は初任給が低めに見えても、家賃や生活費を含めると手元に残る金額が変わります。
都市部と比べて家賃や物価を抑えられる地域では、額面月給だけで生活に余裕があるかを判断できません。
厚生労働省の調査では、佐賀県など一部の地方は保育士の平均年収が都市部より低い水準にあります。
地方で働く場合は、月給よりも毎月の固定費をどれだけ抑えられるかが判断材料になります。
地方の求人は、額面だけを見ると都市部より低く感じる場合がありますが、家賃や生活費を抑えられる地域もあります。
一方で、車通勤が必要な地域では、ガソリン代や保険料、駐車場代のような固定費を家計簿につけて把握してください。
自治体の家賃補助や就職支援金が使える場合がある
自治体の家賃補助や就職支援金を使える場合、初任給だけでは見えない生活費の負担を抑えられることがあります。
自治体によっては、保育人材の確保を目的に、家賃補助、宿舎借り上げ支援、就職支援金などを用意している場合があるためです。
「保育士宿舎借り上げ支援事業」や、再就職時等に必要な費用を貸し付ける「就職準備金貸付」などの制度を実施している自治体もあり、以下のポイントを確認してください。
自治体の補助制度は地域ごとに金額や対象条件が異なるため、勤務地ごとの確認が欠かせません。
また、就職支援金や貸付制度には、一定期間働くことを条件に返還免除となるものもあるため、支援金の金額だけでなく退職時の返還条件や申請期限まで確認しておきましょう。
保育士の初任給を見るときは月給だけで判断しない
保育士の初任給は、月給だけでなく基本給・手当・賞与・昇給・退職金まで含めて比較します。
求人票に記載されている月給には、資格手当、処遇改善手当、住宅手当、固定残業代などが含まれている場合があるためです。
仮に同じ月給でも、基本給が高い求人と、手当を多く含んでいる求人では、賞与や将来の昇給に差が出ることがあります。
また、給与条件を見るときは、金額の大きさだけでなく、残業時間、持ち帰り仕事、休憩の取りやすさもあわせて見てください。
基本給と手当込みの月給を分けて確認する
求人票の月給は、基本給に資格手当、処遇改善手当、住宅手当などを足した金額として表示される場合があります。
こども家庭庁によると、保育施設はモデル給与として基本給、手当、賞与等や月収と年収の目安を明示することが求められています。
引用:こども家庭庁「保育所等における継続的な 経営情報の見える化について」内訳を見るときは、毎月支給されるものと条件付きのものを分けて整理すると、入職後の収入を想定できます。
手当が多い求人は毎月の月給が高く見える一方で、賞与や退職金の算定に含まれない項目も見られます。
基本給が低い求人を一律に避ける必要はありませんが、手当の支給条件や終了時期まで見ておくと、入職後の収入差を把握できます。
処遇改善手当・資格手当・住宅手当の有無を見る
実際の手取りや生活費の負担に影響するのが、基本給に加えて支給される各種手当です。
同じ月給でも、処遇改善手当や住宅手当の有無によって、毎月手元に残る金額が変わる場合があります。
特に住宅手当や借り上げ社宅制度は、家賃負担を抑えられる地域もあるため、一人暮らしを考えている人は確認しておきたい項目です。
手当込みの月給が高く見えても、条件を満たさなければ支給されない項目が含まれている場合があります。
求人票だけで判断が難しい場合は、初年度に実際どの手当が支給される想定なのかを確認すると、入職後の収入を想定できるでしょう。
固定残業代が含まれていないか確認する
月給が高く見える求人でも、実際には一定時間分の残業代があらかじめ含まれている場合があります。
固定残業代とは、毎月決まった時間分の残業代を給与に含めて支給する仕組みです。
厚生労働省の労働条件の明示義務では、雇用側に労働時間や賃金条件を示すことが求められています。
そのため求人票では、固定残業代の金額だけでなく、何時間分に相当するのかまで確認しておきましょう。
固定残業代を含む求人は、残業時間を見える化するメリットもあるため、内訳まで見て判断する必要があります。
また、行事前の残業や持ち帰り仕事の有無によって働き方は変わるため、求人票とあわせて園の運営体制まで確認しておきましょう。
賞与・昇給・退職金まで含めて年収で比較する
求人を比較するときは、毎月の月給だけでなく、賞与や昇給を足した年間収入で判断します。
同じ月給でも、賞与の支給月数や昇給制度によって、2年目以降の収入差が広がることも把握しておきましょう。
年収を比較するときは、毎月の月給だけでなく、賞与実績や昇給幅、退職金制度まで並べて確認して違いを整理してください。
上記のように、月給が高い求人Aでも、賞与が多い求人Bのほうが年収で上回っています。
初年度は賞与が満額支給されないケースや、退職金の対象に勤続年数の条件がある場合もあるため、入職後の給与モデルまで確認しておきましょう。
保育士の初任給が高い求人を選ぶときの注意点
保育士の初任給が高い求人を選ぶときは、月給の高さだけでなく、内訳・業務量・職場環境まで確認してください。
求人票に書かれた月給が高く見えても、基本給ではなく各種手当を含めた金額の場合があるためです。
固定残業代や住宅手当、処遇改善手当などが含まれていると、同じ月給でも実際の条件は求人ごとに異なります。
また、給与条件が良く見える求人ほど、何が月給に含まれているのか、実際の働き方と合っているのかなどを確認してください。
残業や持ち帰り仕事が多い園は負担が大きくなる
給与条件が良くても、勤務時間外の業務が多い職場では、働き続ける負担が増します。
保育士の仕事は、子どもと関わる時間以外にも、書類作成、行事準備、制作物の準備、保護者対応、会議などがあります。
日本保育協会の調査によると、保育士が負担に感じる業務として「持ち帰る仕事」を挙げた人は69.6%でした。
保育士の多くは、持ち帰り仕事に大きな負担を感じているため、以下の確認ポイントを事前に把握しておきましょう。
残業がある園でも、業務分担やICT化によって負担軽減に取り組む園もあります。
給与額だけで判断せず、残業代の支給方法や持ち帰り仕事の有無まで含めて比較してみてください。
人間関係や離職率も確認しておく
長く働き続けられるかは、給与だけでなく、職場の雰囲気や人間関係にも左右されます。
給与条件が良くても、相談しづらい環境や人の入れ替わりが多い職場では、長く続けるのが難しくなるためです。
実際に過去保育士として就業した者が退職した理由として、「職場の人間関係」が最も高い割合を占めていました。
引用:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」ただし、離職率だけで園の良し悪しを決めることはできません。
見学や面接で実際の働き方を確認する
求人票だけでは分からない働き方の実態は、見学や面接で確認できます。
月給や手当の条件が良く見えても、残業時間、持ち帰り仕事、職員同士の雰囲気までは求人票だけで把握が難しいためです。
採用活動に関する調査でも、「実習生の受け入れ」や「職場見学の実施」が採用につながった取組として挙げられており、現場を直接確認することを重視する園もあります。
- 月給の内訳や各種手当について教えていただけますか
- 賞与は前年度どのくらい支給されましたか
- 残業は月にどの程度ありますか
- 持ち帰り仕事が発生する場面はありますか
- 処遇改善手当は毎月支給ですか
- 昇給制度やキャリアアップ制度はありますか
- 新人向けのサポート体制はありますか
- 行事準備や書類作成は勤務時間内に進められる環境ですか
質問は一度にすべて確認する必要はなく、気になる部分から整理して聞く形でも問題ありません。
また、見学や面接だけでは分かりにくい場合は、転職支援サービスを通じて勤務実態や職場環境を確認してください。
保育士が初任給・手取りを増やす方法
保育士の手取りを増やしたい場合は、月給の高さだけでなく、手当や昇給制度まで含めて求人を比較します。
同じ初任給に見える求人でも、住宅手当や賞与、昇給制度の違いによって、実際に手元へ残る金額や数年後の年収には差が出る場合があります。
また、公務員保育士や大手法人、地域密着型の園など、勤務先の特徴によっても給与体系や福利厚生は変わります。
初任給だけで判断せず、手当の支給条件、賞与実績、住宅補助、数年後の年収まで含めて求人を見比べてみてください。
手当や補助制度は、自治体や法人、雇用形態によって対象条件が変わる場合があります。
また、給与条件だけでなく、残業量や休憩の取り方、保育方針なども含めて比較すると、自分に合う働き方を見つけるきっかけになります。
処遇改善手当や住宅手当がある求人を選ぶ
毎月の手取りを考えるときは、基本給だけでなく各種手当の有無まで確認する視点が欠かせません。
処遇改善手当や住宅手当がある求人では、月給そのものが同じでも、生活費を差し引いた後に手元へ残る金額が変わるためです。
こども家庭庁の処遇改善等加算では、保育士の賃金改善を目的とした仕組みが設けられており、2013年度以降、保育士の給与は34%以上引き上げられました。
また、借り上げ社宅制度や住宅手当は、自治体や法人、雇用形態によって対象条件が変わる場合があるため、支給額だけでなく利用条件まで確認してみてください。
手当の種類が多い求人は魅力的に見えますが、制度名だけでは実際の受給額はわかりません。
また、手当だけで判断せず、残業量や働き方とのバランスまで含めて確認してみてください。
賞与や昇給制度が明確な園を選ぶ
初任給が同じ求人でも、賞与や昇給制度によって数年後の年収に差が出る場合があります。
月給だけでは見えにくい部分として、賞与の支給月数や昇給制度の有無があります。
求人票では「賞与あり」とだけ書かれている場合もあるため、支給実績や初年度の条件まで確認し、求人ごとの差を整理してください。
初年度は賞与が満額支給されない園もあるため、支給条件まで確認しておくと、入職後の収入差をイメージできます。
また、昇給制度があっても金額や評価基準が異なるため、数年後の年収モデルまで比較してみてください。
公務員保育士や大手法人の求人も比較する
初任給だけでなく、数年後の昇給や福利厚生まで含めて比較すると、求人ごとの違いを整理できます。
公務員保育士は自治体の給与表に沿って昇給や賞与が決まるため、勤続年数に応じて収入が上がる仕組みがあります。
また、大手法人は住宅手当や研修制度、福利厚生が整っている場合があるほか、地域密着型の園には少人数で落ち着いて働ける環境など、それぞれ異なる特徴があります。
同じ法人形態でも、配属先や園ごとの運営方針によって働き方は変わります。
昇給制度や福利厚生だけでなく、保育方針、人間関係、残業量まで含めて、自分が長く働ける環境かを確認してください。
経験を積んで主任・リーダー職を目指す
初任給だけでなく、経験年数や役割に応じて収入を伸ばしていくキャリアの考え方もあります。
実際にこども家庭庁の処遇改善等加算では、「副主任保育士等」には月額最大4万円、「職務分野別リーダー等」には月額5千円の手当が加算される仕組みが整っています。
経験として乳児保育、保護者対応、後輩指導、行事運営などが評価につながる園もあるため、初任給だけでなく将来的にどのような役割を目指せるかまで確認しましょう。
役職手当や昇給制度がある園でも、登用条件や評価基準は法人ごとに異なります。
また、役職が上がると責任や業務量も変わるため、自分が続けたい働き方や得意分野と合っているかまで把握してください。
保育士の初任給に関するよくある質問
保育士の初任給は、額面月給だけでなく、手取りや手当、賞与まで含めて確認する必要があります。
同じ月給でも、地域、施設形態、福利厚生によって実際の条件は変わるため、求人票の見方に迷う人も少なくありません。
ここでは、初任給の目安、手取り、学歴差、賞与、自治体支援など、保育士の初任給に関するよくある疑問をQ&A形式でまとめました。
保育士の初任給はいくらですか?
保育士の初任給は、額面で20万円台前半が目安のひとつです。
ただし、地域、学歴、施設形態、処遇改善手当の有無によって実際の金額は変わります。
求人票では月給だけでなく、基本給と手当の内訳、賞与を含めた年収まで確認してください。
保育士の初任給の手取り平均はいくらですか?
額面20万円台前半の場合、手取りは16万〜19万円前後になることが多いです。
額面給与から社会保険料や所得税などが差し引かれるため、求人票の月給と振込額は同じではありません。
また、2年目以降は住民税の控除が始まる場合もあるため、手取りは地域や扶養状況によって変わります。
保育士の初任給は短大卒と大卒で違いますか?
保育士の初任給は、短大卒・専門卒・大卒で差が出る求人があります。
学歴別に給与テーブルを分けている園では、大卒の基本給をやや高く設定している場合があります。
一方で、園や法人によって学歴差が小さい求人もあるため、手当・賞与・昇給制度まで含めて年収で比較しましょう。
保育士の初任給にボーナスはありますか?
保育士の求人には、賞与が支給される園もあります。
ただし、賞与の有無や支給月数は園や法人によって異なり、初年度は満額支給ではない場合もあります。
求人票では「賞与あり」だけで判断せず、支給実績、初年度条件、算定基準まで見ておきましょう。
保育士2年目でいくら給料がもらえますか?
保育士2年目の給料は、昇給制度や手当、住民税の控除によって変わります。
昇給がある園では額面が上がる場合がありますが、2年目以降は住民税の控除が始まり、手取りが増えるとは限りません。
そのため、昇給額、賞与、処遇改善手当、残業代まで含めて年収で見ましょう。
新卒1年目で手取り25万円は高いですか?
新卒1年目で手取り25万円は、一般的な保育士初任給の目安と比べると高めの水準と考えられます。
ただし、住宅補助、夜勤手当、固定残業代などが含まれている場合があり、額面ではさらに高い給与設定が必要になります。
金額だけで判断せず、勤務時間、残業量、賞与条件、月給の内訳まで確認してください。
札幌市では保育士に10万円給付されますか?
札幌市などの自治体では、保育士向けの就職支援金や補助制度が設けられている場合があります。
ただし、制度の有無や給付額、対象者は年度によって変わる可能性があり、対象施設や勤務期間などの条件も異なります。
制度を利用する場合は、自治体公式サイトや園の採用情報で最新条件を確認したうえで判断してください。
保育士の初任給は手取り・手当・年収で比較しよう
保育士の初任給は、額面で20万円台前半、手取りで16万〜19万円前後がひとつの目安です。
ただし、実際の金額は、学歴、地域、公立・私立、施設形態、手当の有無によって変わります。
求人を選ぶときは、月給の総額だけでなく、基本給・手当・賞与・昇給・働きやすさまで並べて比較しましょう。
- 1. 額面月給
- 2. 手取り目安
- 3. 基本給と手当の内訳
- 4. 賞与・昇給
- 5. 残業代・固定残業代
- 6. 住宅手当・福利厚生
- 7. 実際の業務量・働きやすさ
初任給が高く見える求人でも、基本給が低い、固定残業代込み、手当の支給条件が限定されている場合があります。
また、賞与や昇給制度、残業量、人間関係によって、入職後の働き方や年収の差が異なるケースもあります。
求人票の条件を整理したうえで、複数の求人を比較しながら、自分に合う働き方ができる保育士求人を探してみてください。
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