保育士資格を活かして働ける一般企業の仕事14選！保育士以外の仕事に転職するコツも紹介

保育士資格は、保育園以外の一般企業でも活かせる国家資格です。

厚生労働省の調査報告によると、保育士養成施設卒業者の約15%は「その他」の仕事を選んでおり、一定数が一般企業へ就職していることがわかります。

保育士の主な就業先の構成比(平成30年度)
保育所及び幼保連携型認定こども園	58.2％
地域型保育事業	1.4％
保育所以外の児童福祉施設	3.5％
児童福祉事業	3.1％
知的障害者援護施設	2.0％
身体障害者援護施設	0.4％
老人福祉施設	0.5％
幼稚園	15.4％
その他	15.4％

出典：厚生労働省「保育士の現状と主な取組について」指定保育士養成施設卒業者の就職先の近年の状況

子ども関連企業や一般企業など、保育士資格や経験を評価してくれる仕事も多いです。

この記事では、保育士資格を活かして働ける一般企業の仕事を紹介します。

あわせて、保育士が保育以外の仕事に転職する際に知っておきたいコツや注意点も解説します。

また、保育の仕事はしたいけれど給与や人間関係で不安を抱えている場合には、転職エージェントを活用しての保育業界での転職・就職も検討してみてください。

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保育士資格を活かして働ける一般企業の仕事

保育士資格は保育園だけでなく、一般企業でも評価の対象になり得る国家資格です。

保育士として身につけた、子どもの発達理解や保護者対応の経験は、一般企業でも活かすことができます。

保育業界の実情を理解しているからこそ、現場と企業をつなぐ役割を担える点が大きな強みです。

一般企業で評価されやすい保育士の強み
専門知識	子どもの発達・年齢別対応の理解
対人スキル	保護者対応・傾聴力・説明力
実務経験	書類作成・調整力・マルチタスク
信頼性	国家資格を取得した実績への評価・専門性への信頼

保育現場から離れても、資格と経験を活かした働き方は十分に可能です。

ここでは、保育士資格を活かして働ける代表的な一般企業の仕事を紹介します。

保育園の運営会社

保育現場を理解している保育士経験者は、運営側で重宝される存在です。

保育園の運営会社では、人事や採用、園の運営管理などを担当します。

保育士として働いた経験があることで、現場の課題を踏まえた改善提案がしやすくなります。

現場と本部をつなぐ役割を担える点が、この仕事の大きな特徴です。

行政対応や監査準備、新規園の立ち上げに関わるケースもあります。

保育に関わり続けながら、働き方を変えたい人に向いています。

保育系の人材紹介会社

保育系の人材紹介会社では、保育士の転職支援や求人紹介を行います。

求職者の希望や不安を丁寧にヒアリングし、条件に合う職場を提案します。

保育士と園の双方を理解できる立場として活躍できる仕事です。

現場経験があることで、現実的で信頼性の高いアドバイスが可能です。

園側に対しても、職場環境や求める人物像を踏まえた提案ができます。

人の人生の節目に関われる、やりがいのある仕事です。

ベビーシッター育成・派遣企業

保育士資格は、ベビーシッター業界でも需要が大きい資格です。

ベビーシッター育成・派遣企業では、シッターの育成や家庭とのマッチングを行います。

講師として研修を担当したり、利用者対応を行ったりする業務が中心です。

保育士としての専門知識が、安全性や品質向上に直結します。

家庭ごとに異なるニーズに対応するため、柔軟な判断力も求められます。

子どもと関わる仕事を続けながら、働く環境を変えたい人に適しています。

子ども向けのショップスタッフ（服・おもちゃ等）

保育士経験は、子ども向けショップの接客や売り場づくりでも強みとなります。

子ども服やおもちゃを扱うショップでは、商品説明だけでなく保護者とのコミュニケーションも必要です。

年齢ごとの発達段階や遊びの特徴を理解している保育士は、ニーズに合った提案がしやすいでしょう。

子どもへの声かけや保護者対応の経験が、そのまま接客力につながります。

売り場づくりやディスプレイでは、季節行事や子どもの興味を意識した工夫が求められます。

保育園で培った制作や装飾の経験が活かせる点も魅力です。

子ども向け教材メーカー

子どもの発達を理解している保育士は、教材づくりの現場でも重宝されます。

子ども向け教材メーカーでは、知育教材や絵本、玩具などの企画や開発に関わります。

保育現場での使用経験があることで、実際に使いやすい教材を考えられる点が強みです。

子どもが興味を持ちやすい表現や難易度を判断できることが評価されます。

企画職以外にも、営業や広報、カスタマーサポートなど幅広い職種があります。

保育に関わる知識を活かしながら、企業で働きたい人に向いています。

子ども向けの習い事講師

子どもへの教え方や関わり方を知っている保育士は、習い事講師にも向いています。

幼児教室や英語、音楽、スポーツなど、子ども向けの習い事講師として働く選択肢は豊富です。

得意分野がある場合は、そのスキルを活かして長く働くことができます。

また、年齢や理解度に合わせた説明ができる点は、保育士ならではの強みです。

子どものやる気を引き出す声かけや関係づくりが求められます。

また、保育士は給与や労働環境の厳しさ悩みを抱えやすい一方で、多くの人が「子供の笑顔や成長」を感じられる点にやりがいを感じています。

引用：公益社団法人 全国私立保育園連盟│『保育施設で働く保育者のためのアンケート』結果報告

子ども向けの習い事講師は、保育現場とは異なる形で子どもの成長を支えたい人におすすめです。

オンライン幼児教室の講師

保育士の専門性は、オンライン幼児教室でも十分に活かせます。

オンライン幼児教室の講師は、知育やリトミック、英語などのレッスンをオンラインで行う仕事です。

画面越しでも子どもの反応を読み取り、年齢に応じた声かけができる点が強みになります。

子どもの集中力や発達段階を理解している点は、大きな評価ポイントです。

自宅から働けるため、育児と仕事を両立したい人にも向いています。

子供向け写真館のスタッフ

子どもの自然な表情を引き出せる点は、保育士経験者ならではの強みです。

子供向け写真館では、記念撮影時の子ども対応や保護者対応を担当します。

泣いてしまう子どもへの声かけや、緊張をほぐす関わり方が求められます。

子どもの気持ちを切り替える力が、撮影の成功につながります。

撮影補助だけでなく、衣装選びや接客を任される場合もあります。

子どもの成長の節目に関われる、やりがいの大きい仕事です。

託児ルームのスタッフ

託児ルームは、美容室や医療機関、商業施設などに併設されるケースが増えています。

一時預かりが中心となるため、初対面の子どもと関わる場面が多い仕事です。

保育園より少人数で対応することが多く、落ち着いた環境で働ける点も特徴です。

柔軟なシフトで働きたい人に向いています。

テーマパークやアミューズメント施設の運営企業

テーマパークやアミューズメント施設では、子ども向けエリアの運営や接客を担当します。

子ども対応と安全配慮の両立が求められる現場で、保育士経験が役立ちます。

イベント企画やスタッフ管理に関わるケースもあります。

子どもと関わる仕事を続けながら、一般企業で働きたい人におすすめです。

イベント企画・運営企業

イベント企画・運営企業では、主に商業施設や展示会などでイベントを開催しています。

家族連れを対象としたイベントでは、子ども対応の質が満足度を大きく左右します。

子どもの興味を引きつけ、安全に配慮しながらイベントを進行できる点が保育士経験を活かせるポイントです。

キッズスペースの運営や、イベント中の子ども対応を任されるケースもあります。

電話相談員

保育士の傾聴力は、電話相談員の仕事でも大きな強みになります。

電話相談員は、保護者や子どもに関する悩みを電話やオンラインで受け付ける仕事です。

子育ての不安や発達に関する相談など、丁寧な対応が求められます。

在宅勤務が可能なケースもあり、働き方の柔軟性が高い点も特徴です。

共感力が高すぎると精神的に負担を感じやすい仕事のため、メンタルが弱い方は注意が必要です。

保育系のWebライター

保育系のWebライターは、保育や子育てに関する記事を執筆する仕事です。

現場経験があることで、リアルで信頼性の高い情報を発信できます。

専門性のある記事は、読者からの共感を得やすい傾向があります。

在宅で働ける場合も多い職種のため、働き方の自由度が高い点も魅力です。

イラストレーター

子どもの目線を理解している保育士は、イラスト制作でも強みを発揮できます。

特に、子供用の教材や絵本、Web素材などのイラストを制作する仕事がおすすめです。

子どもが親しみやすい表現や色使いを理解している点が強みになりやすいです。

また、保育現場での制作経験も作品の説得力につながります。

在宅で自分のペースで働きやすい一方、イラスト制作のスキルが安定するまで時間がかかる場合もあります。

副業から始めて実績を積み重ねてから転職する方法も検討しましょう。

保育士資格を活かして一般企業に就職・転職するメリット

保育現場では、子どもや保護者への対応に加えて、職員同士の連携も欠かせません。

責任の重さや人間関係の負担から、働き方を見直したいと考える人も多いでしょう。

一般企業に転職することで、保育士時代とは異なるメリットを得られる可能性があります。

一般企業に転職する主なメリット
人間関係	職場内のストレスが軽減しやすい
収入面	給与や賞与アップが期待できる
休暇	有給休暇や長期休暇を取りやすい
働き方	仕事と私生活のバランスを取りやすい

ここでは、保育士資格を活かして一般企業に就職・転職する主なメリットを紹介します。

保育士ならではの人間関係のストレスが軽減する

一般企業では、保育現場特有の人間関係の負担が軽減しやすくなります。

保育園では、少人数の職員で密に連携しながら業務を進める必要があります。

意見の食い違いや価値観の違いが、精神的なストレスにつながるケースもあります。

一般企業では業務分担が明確で、一定の距離感を保ちやすい傾向があります。

感情労働の比重が下がることで、気持ちに余裕を持って働ける人も多いでしょう。

人間関係を理由に転職を考えている人にとって、大きなメリットといえます。

給与アップが見込める

一般企業に転職・就職することで、保育士としてよりも高収入を狙える可能性があります。

収入面の悩みから一般企業への転職を検討する方も多く、東京都福祉保健局の調査によれば、実際に保育士の退職意向の理由として最も多い回答は「給料が安い」でした。

引用：東京都福祉保健局「東京都保育士実態調査（令和4年）」

保育の仕事は、責任の重さに対して給与が見合っていないと感じている人が多いことがわかります。

一方一般企業では、成果や役割に応じた評価制度が整っていることが多いです。

賞与や昇給制度がある企業も多く、年収アップを目指しやすいです。

休暇を取りやすくなる

一般企業へ転職すると、保育の仕事と比べて有給休暇や長期休暇を取得しやすくなる可能性があります。

保育園では、事務仕事ごとが終わらず残業していたり、職員配置の関係で休みを取りにくい場面も少なくありません。

一般企業は土日祝日休の企業も多く、生活リズムが安定しやすくなります。

カレンダー通りに稼働している企業なら、お盆期間や年末年始もまとまった休暇を取れることが多い点も大きなメリットです。

また、マイナビのアンケートによると、就業後に仕事をしていると回答した保育士が81.3％にのぼり、約67％が持ち帰り仕事をしていると報告されています。

引用：マイナビ保育士「【アンケート調査】67%の保育士が持ち帰り仕事をしている…。保育士のサービス残業の実態」

一般企業では、イレギュラーが起こりやすい保育よりも計画的に業務を進めることができるため、スケジューリング次第で残業を減らしプライベートの時間を確保することができます。

仕事と私生活のバランスを重視したい人に向いています。

保育士資格を活かして一般企業に就職・転職するデメリット

保育士資格を活かして一般企業に転職する際、働く環境や評価基準が大きく変わるため戸惑うこともあるでしょう。

メリットだけでなくデメリットまで把握したうえで転職を判断することが、入社後のギャップを最小限にするためにも重要です。

一般企業へ転職する際に起こりやすい課題
業務内容	未経験業務が多く、習得に時間がかかる
人間関係	職場文化の違いに慣れる必要がある
待遇	必ずしも給与や条件が改善されるとは限らない

ここでは、保育士が一般企業に就職・転職する際に直面しやすいデメリットを整理します。

新しい仕事を覚える必要がある

一般企業への転職では、保育現場とは異なる業務スキルを一から身につける必要があります。

覚える必要がある主な業務内容の例
事務作業	書類作成、データ入力、社内システム操作
ITスキル	メール、Excel、社内ツールの使用
業務知識	業界特有の用語や業務フロー

新しい人間関係を構築する必要がある

転職後は、職場の人間関係を一から築く必要があります。

関係構築に時間がかかり、精神的な負担を感じることもあるでしょう。

また、保育園とは異なる職場文化や距離感に戸惑うことも考えられます。

人間関係で感じやすいギャップ
距離感	業務中心で私的な交流が少ない
価値観	成果や効率を重視する傾向
相談環境	自分から発信しないと伝わらない
評価	協調性より成果が重視される場合がある

必ず待遇が良くなるとは限らない

一般企業に転職しても、必ず待遇が改善されるとは限りません。

特に未経験職種への転職では、初年度から高額の給与は望めないことが多いです。

場合によっては保育士時代と大きく条件が変わらないか、収入が下がることも考えられます。

未経験の仕事に天翼する際には、入社時の給与額だけでなく、賞与、手当、昇給・昇級制度なども確認し、将来的に給与アップを見込める求人かを確認することが大切です。

待遇面で確認すべき項目
給与	基本給・手当・賞与の有無
勤務時間	残業時間・固定残業の有無
休日	年間休日数・有給取得率
将来性	昇給制度・キャリアパス

保育士が保育以外の仕事に転職するコツ

保育士として培った経験は、視点を変えることでさまざまな仕事に応用できます。

まずは自己分析で保育士経験の強みを言語化し、希望する仕事に対してどのように活かせるのかを、面接官に納得感のある形で伝えられるよう準備しておくことが大切です。

保育以外の仕事への転職を成功させるためのポイント
準備	自己分析で強みを言語化する
伝え方	転職理由を前向きに説明する
支援	転職エージェントを上手に活用する
判断軸	条件だけでなく働き方も重視する

以下では、保育士が保育以外の仕事に転職する際に意識したいポイントを整理します。

自己分析で自分の強みを確認する

保育以外の仕事への転職を成功させるためには、保育士経験を一般企業向けの強みに変換することが重要です。

保育士としての経験は、対人スキルや調整力など、汎用性の高い能力に置き換えられます。

保育士経験から整理できる強みの例
対人力	保護者対応・傾聴力・説明力
調整力	複数業務を同時に進める力
責任感	命を預かる仕事で培った慎重さ
柔軟性	突発的な対応への適応力

転職理由はポジティブに伝える

保育業界を離れる理由がネガティブであっても、そのまま伝えてしまうと好印象には繋がりません。

転職理由は、前向きな表現に言い換えることが大切です。

企業側は、転職希望者がこれからどのように貢献してくれるかを面接を通して見極めます。

「人間関係が悪かった」「給与が低かった」ではなく、経験・スキルを活かせる環境でさらに活躍したい、というように前向きな意思を示すことが大切です。

NG例	人間関係がつらかった
言い換え	新しい環境で視野を広げたい
NG例	給与が低かった
言い換え	成果を評価される環境で働きたい

転職エージェントを活用する

保育士が保育以外の仕事に転職する場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。

一般企業への転職では、業界知識がないために求人の見極めが難しいことがあります。

そのため、特に未経験の業界や職種に挑戦する場合は、プロのサポートがあることで効率的に転職活動を進められます。

求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策まで一貫してサポートしてもらえる点がメリットですです。

転職エージェントを活用するメリット
求人の質	非公開求人や内部情報を知ることができる
書類対策	履歴書・職務経歴書の添削を受けられる
面接対策	保育経験の伝え方を一緒に整理できる
条件交渉	給与や勤務条件の交渉を代行してもらえる

また、保育士経験をどのように一般企業向けに言い換えるかは、転職成功の大きな分かれ目です。

エージェントを活用することで、保育士経験を求人企業で活かせる強みとして整理してもらえます。

保育士資格を活かせる仕事に関するよくある質問

保育士資格を活かした働き方については、多くの人が同じような疑問や不安を抱えています。

保育園以外で働くことに興味はあるものの、「本当に転職できるのか」「資格は評価されるのか」と悩む人も少なくありません。

ここでは、保育士資格を活かせる仕事に関する質問に回答します。

保育士資格を活かして在宅で働ける仕事はある？

保育士資格を活かして在宅で働ける代表的な仕事として、保育系のWebライターやオンライン幼児教室の講師があります。

子育てや家庭と両立しやすい点から、転職で在宅ワークを希望する人も多いです。

保育士資格を活かせる在宅ワーク例
Webライター	保育・子育てに関する記事執筆
オンライン講師	知育・リトミック・英語指導
電話相談員	保護者や子育て相談対応
イラスト制作	教材・絵本・Web素材作成

保育士が保育園以外の仕事に就くのは難しい？

保育士が保育園以外の仕事に就くことは、決して難しくありません。

保育士として培った対人スキルや調整力は、一般企業でも評価されます。

実際に、保育園運営会社や人材紹介会社などで活躍している人もいます。

転職の際に重要なのは、保育士の経験をどのように強みに変えて伝えるかという点です。

未経験分野でも、強みを整理して伝えることができれば就職先の選択肢は広がります。

転職の難易度を左右するポイント
自己分析	保育経験を強みに言語化できているか
準備	仕事内容や業界理解ができているか
支援	転職エージェントの活用を検討
姿勢	未経験分野への学習意欲があるか

保育士資格を活かせる一般企業の仕事は多い

保育士資格は、保育園以外の一般企業でも十分に活かせる強みのある資格です。

保育士として培ってきた経験やスキルは、子ども関連企業や一般企業でも高く評価されます。

保育現場を離れることに不安を感じる人もいますが、選択肢は一つではありません。

働き方や価値観に合わせて、保育士資格を活かす道を選ぶことが大切です。

保育士資格を活かせる主な選択肢
子ども関連企業	保育園運営会社、教材メーカー、写真館、テーマパークなど
支援・相談系	人材紹介会社、電話相談員、ベビーシッター派遣企業
教育・指導	習い事講師、オンライン幼児教室の講師
在宅ワーク	Webライター、イラストレーターなど

また、保育の仕事はしたいけれど給与や人間関係で不安がある、という方は保育業界での転職でも不安を解消できる可能性があります。

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